スズラン 鈴蘭
(lily of the valley : Conval Laria majalis L.)
:温帯域上部の明るい草地に自生し、また鑑賞用に栽培されるかれんなユリ科*の
多年草。和名は鐘形の花形を<鈴>にみたてたもの。キミカゲ草の別名もある。
花茎は高さ16〜25cmで、鞘状の鱗片葉の腋から1本出る。葉身をもつ葉は2枚あり、
花茎の伸長とともに展開し、花後には花茎よりも高くぬき出る。花は5〜6月に咲き
白色、芳香がある。6枚の花被が合着して鐘状の筒をつくり、うつむいて咲く。
子房は3室で少数の胚珠があり、熟して赤い漿果となる。
地下茎が長くはい、よく分枝するので、群生する性質がある。北海道、本州(西部に
は少ない)、九州(まれ)に分布する。北海道では普通、牧草地などに雑草的に生える。
ユーラシア大陸北部に広く分布し、地理的変異があるが、種としては1種である。ヨー
ロッパでは五月祭をこの花束で祝うため、May lily の英名もある。
全草にコンバラマリンconvallamarin、コンバラリン convallarin、コンバラトキシン
convallatoxinという3種類の配糖体を含み有毒であるが、またこれらの成分は薬用
にも利用される。コンバラマリンはジキタリスと似た作用があり、精製して強心剤に用
いる。漢方では全草を煎じて強心剤、利尿剤とする。
ヨーロッパでは花を香水の原料としても利用する。
スズランは聖母マリアの花とされ、清らかさの象徴である。
(以上 世界大百科事典 (平凡社)より)
*:2003年 の改定「DNAに基づく分類体系によればガリア科またはナギイカダ科に分類される。
横須賀市長沢の民家の庭 2005/05/08 16:42 |
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