マキ(槇)/イヌマキ(犬槇)
Podcarpus macrophylus (Thunb.)D.Don
スギ科 常緑高木
暖地に自生する。日本特産。
葉は細長く厚い。大きいのは20mに達するが、庭木・生垣にするのは小さい。
材は建築・器具用。自生種を「いぬまき」、栽培したものを「らかんまき」という。
(出展: 岩波書店「国語辞典」)
小倉百人一首に有名な歌、
「村雨の露もまだ乾ぬ槇の葉に、霧立ち上る秋の夕暮れ」寂蓮法師(1139?〜1202)
ムラサメ ヒ
は、小生が子供のころ、正月の楽しみであった、家でのカルタとり大会のために、まず、覚えたのは、この句でした。
読み手が、上の句の”むらさめのーー”と読み上げると、下の句「きりたちのぼる・・・」の札を、取り手が競争で取り合う、
ゲームでした。
以下、(参考 世界大百科事典 平凡社)
雌株には人形の形をした実ができる。紀伊半島一円などで、コウヤマキのホンマキに対して犬の字を冠して区別した方言名が、
そのまま標準和名(イヌマキ)に用いられた。
高さ20mに達し、水平に枝を張る。幹の樹皮は帯褐灰白色で縦に裂ける。葉は密に螺生し、線状披針形で先は少しとがり、長さ7-15cm、
表面は濃緑色を呈する。花は5月ごろ前年枝に腋生し、雄株では長さ3-5cmの雄花が3-5個、短い柄につく。雌株では、1cm内外の雌花が
単生し、著しい花托がある。10月粉白緑色の球形種子が熟し、花托は肉質赤紫に肥厚して食べると甘い。種子は樹上にあるうちに発芽
し、幼根を出してから落ちることが多い。房総半島以西琉球諸島までの主として太平洋側と台湾、中国中・南部の暖帯、亜熱帯に分布する。
適潤地を好み、海岸林に多い。材は黄褐色で木目が通り、水湿に耐え、またシロアリに強いので、建築・土木用に供される。潮風に強い
ので沖縄県では海岸砂防林としても植えられる。
庭園樹にされるラカンマキvar.maki Endl.はイヌマキの園芸品種と考えられ、古くから知られている。母種P.macrophylusより成長が
おそく、庭木としては高級とされる。
マキの雄花 2012/06/17 11:04 横浜市金沢区並木 県立循環器呼吸器病センター (下段の実の写真と同じ樹木群) NEC N902iS |
|
マキの雌花の蕾 2014/06/14 18:13 同上 NEC N902iS |
|
マキの実 2011/10/25 16:26 横浜市金沢区並木 県立循環器呼吸器病センター NIKON D70 |
六月の花(その3)ページへ
十月の花(その2)ページへ
トップページに戻る