ハコネウツギ（箱根空木）
Weigela Coraeensis Thunb.
タニウツギ属スイカズラ科
海岸近くに生える落葉性低木。特に箱根、伊豆地方に多いので、この名がある。庭木として植えられ、北海道や
東北地方では畑地などの生け垣として利用する。全体に殆ど毛がなく、高さ4mとなる。葉は対生し、質がやや厚く、
光沢がある。花は枝の先に集まり、5-6月に次々と咲く。花冠は筒状鐘形、長さ約3cm、初め白く後に紅色に変わる。
子房は下位、棒状で２室、多数の胚珠をつける。果実は裂開し、狭い翼のある種を飛散させる。
タニウツギ属Weigelaは主に日本で種分化を起こした群で、一般に発芽しやすく日当たりのよいところを好む。日本海
側の山地には、花が桃色で葉の裏に白い毛が密生するタニウツギW.hortensis K.Kochが分布する。鑑賞のため植えられ
が、切り花とすると水揚げが悪い。若芽は食用にされる。東海から近畿地方にかけて、全体に毛が多く、花が深赤色となる
ヤブウツギW.frorida DC.がある。九州のツクシヤブウツギW.japonica Thumb.はやはり毛が多いが、花は初め白く後赤く
変色する。ニシキウツギW.decora Nakaiは本州、四国、九州の1500〜2000ｍのところに生える。これらの種はごく近縁で
、ときに自然雑種をつくる。とくに火山活動により植生の破壊された富士・箱根周辺では、ハコネウツギ、ヤブウツギ、
ニシキウツギが複雑に交配したため変異が多い。
（出展：：世界大百科事典（平凡社）)
下の写真の花では、白から薄桃色、そして濃赤色から赤紫へと変化している。

ハコネウツギ 横須賀市三笠公園 撮影日 2011/05/16 ：9:42 カメラ：N902iS
上と右の写真 2012/05/23 17:07 横浜市金沢区長浜公園 カメラ：N902iS

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