三浦半島の草花   Botanical Scene & Flower of Miura-Peninsure

ガマ(蒲)
(common) cat-tail:Typha latifolia L.、
ガマ科の多年草
湿地の浅い水底から直立し、高さ2mになる。根茎は泥の中を横にはい、ここから直立茎を出す。葉は線形で、長さ1〜2m,
幅1-2cmで無毛。6ー8月に茎の頂に穂状花序をつける。花序の上部は雄花群で、この部分は細い。各雄花は3本のおしべ
だけからなり、花柄基部に長い毛がある。花粉は4個が融合している。花序の下部は雌花群で、上部よりも太く、直径1.5-2cm
になる。雌花はただ1個の心皮からなり、花柄には長い毛がある。花柱は長く伸び、柱頭は茶色である。雌花群の表面には、この
柱頭が密集している。分布は広く、北半球の温帯〜熱帯からオーストラリアまでである。ガマの花粉を蒲黄(ほおう)といい。乾燥したもの
を止血剤として用いた。<因幡の白兎>の民話で、赤裸のウサギがガマの穂にくるまったのも、この止血作用を利用したものであろう。
また葉や茎は敷物や籠、簾を編むのに用い、若芽は食用にされた。その葉で編んだ円座(ほたん)やむしろから、それぞれ蒲団(ふとん)
、蒲簀(かます)などの名が起こり、ガマの穂綿に硫黄や硝石を混ぜて、火打ちの火をとるための<ほくち>がつくられた。
竹輪蒲鉾や蒲焼(昔はウナギの胴を開かずに丸ごと串ににさして焼いた)の名はその穂の形による。

(出展:平凡社 大百科事典)。

蒲の穂
横浜市金沢区 堀口北公園
2010/9/29 15:45
NEC N902iS 


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