ドクダミ  Houttuynia cordata Thumb. 
ドクダミ科の多年草。低地の林下や路傍に群生する。傷つけると特有の臭気を放つ。
花序の下にある白色の4枚の大きな総苞葉が目立ち、1個の花のように見える。和名は
<毒痛み>の意味だといわれる。地下茎は長くはって広がり、地上茎は直立して高さ
20-50cm。全体は柔らかである。葉は互生し、大きな托葉があり、葉身は心臓形で先は
とがり、鋸歯はなく、長さ4-8cm、巾3-6cm、6〜7月、茎の先に短い穂状花序をつくり、
小さな花を多数つける。花序の基部には4枚の大きな総苞葉がある。花は黄白色で花披が
なく、小さな苞葉のわきに3本のおしべ1個のめしべがある。刮ハは広卵形で3裂する。
1属1種で、本州〜沖縄、中国、ヒマラヤ、東南アジアに広く分布する。
 中国では全草を魚腥草(ぎょせいそう)の名で、解熱、解毒、利尿、湿疹の
治療などに用いる。日本でもはれもの、虫さされ、切傷、洗眼、駆虫、皮膚病、
あるいは胃腸病に用いられ、十薬の名がある。特有の臭気はラウリンアルデヒド
やカプリンアルデヒドなどのアルデヒド類による。根茎はデンプンを含み、
食料不足のときに煮て食べたこともあった。欧米では観賞用に栽植されること
もある。
(以上世界大百科事典 (平凡社)より )
 




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