深海の生態系の簡単な解説

 

 深海では浅海(せんかい)や河川、あるいは地上と違って光合成をする”植物”が基本的に存在しません。ですから、深海で手に入る食べ物は、一部の化学合成生物群集を抜かすと浅い海や河川、陸上からやってきた有機物が基本になっています。

 つまり深海では光合成による有機物の生産が行なわれないため、おおむね有機物を消費する(つまり食べる)だけの場所になっています。

 そのために、深海では深くなるほど有機物は消費されて、その量は減っていきます。ですから海の深い場所へ潜っていけばいくほど生物の量は減っていき、閑散としていきます。

 しかしながら生物がまったくゼロになってしまうわけではありません。世界でもっとも深いマリアナ海溝の底(水深およそ11km)にもヨコエビやナマコの姿を見ることができます。

 また、深海の生物の量は、特に深海の上部では思ったよりも豊富です。例えば脊椎動物で最大の個体数と生物量を持つのは、深海にすむオニハダカと呼ばれる小さな魚であると考えられています。

 このように深海はただ閑散としているだけの死の世界では決してありません。

 

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