サバ亜目の進化/クロシビカマス
サバ亜目・・・。
亜目は「あもく」と読みます。英語ではSuborderです。これは分類学で使う”分類階級”のひとつです。取りあえずサバの仲間、サバ類と考えてください。
サバ亜目には以下のようなグループが含まれています。
・カマス科(Family Sphyraenidae):カマスなど
・クロタチカマス科(Family Gempylidae):バラムツ・クロシビカマスなど
・タチウオ科(Family Trichiuridae):タチウオなど
・サバ科(Family Scombridae):マサバ・カツオ・クロマグロなど
・マカジキ科(Family Istiophoridae):マカジキなど
・メカジキ科(Family Xiphiidae):メカジキなど
さて、なぜこれらサバ亜目の魚を深海のページで取り上げるのでしょうか?。
サバ亜目は深海に住んでいた原始的な祖先から、タチウオのような魚と、サバとマグロのように海の表層を泳ぎ回る系統が分化したという意見があるようです。
実際、サバの仲間にはバラムツやクロシビカマス、タチウオのような深海性の種類が見られます。
また、多くの種類がスポーツフィッシングや漁獲の対象になっているので資料を手に入れやすそうです。
そこでこのページでは深海性のサバ亜目魚類を取り上げたり、近縁の魚と比較していきたいと思います。
まず、最近スーパーで買ったクロシビカマスのスケッチと写真を公開することにしました。
クロシビカマス(?) Promethichthys prometheus(?) 全長42cm 先日、スーパーで売られているものを買ったものです。『日本産 魚類検索 全種の同定 初版補訂第2刷 1995 』を使って同定しました。とはいえ、胸ビレ(小鱗状棘になっている)と臀ビレの棘は確認できませんでした。観察が悪かったのか(おおいにありうる)、あるいは脱落したのかは分かりません。
ともあれクロシビカマスは水深350m程度の深さに住んでいるようです。夜間には海面近くに浮上します。歯と背ビレの棘は鋭く、実際、スケッチおよび解体中に何回かかなり深くささりました。骨格は現在、標本およびスケッチするために作業中で、近日公開の予定です。
なお、全身と頭部の写真は以下を見て下さい。
クロシビカマスの全身と頭部の写真
さらに参考としてカマスのスケッチも以下にしめしました。ちなみに、手持ちの資料ではカマスの仲間(カマス科)はサバ亜目の中で、もっとも外にくるグループのようです。