千葉県立中央博物館で2002年、4月27日 (土)〜6月2日 (日) まで開催された、企画展「深海魚の不思議」の見聞録です。
企画展見聞録 ワニトカゲギスとムラサキホシエソ 小さいけれども、発光器官や身体の特徴がよく分かります。 こういう標本が目の前で見られるのは貴重な機会ですね^^)
4月27日にさっそくいってきました。土、日、祝日に行われる宮正樹さんの解説にあわせていってきました。ちなみに宮さんは、「THE COMPLEAT CLADIST A Primer of Phylogenetic Procedures. E.O.Wiley et al 1991」の翻訳(日本語版は「系統分類学入門 文一総合出版」)をてがけた人でもあります。
実際に深海魚類の採集をしている現場にいるので解説にはとても実感がありました。宮さんが言っていたように深海魚というものは、思っているよりも小さいものなのですが、小さいけれども環境に適応した奇妙な生物がプカプカ深海を漂っていることを考えると愉快です^^)。
展示コーナー自体は比較的小振りなのですがたくさんの標本がテーマ別に並んでいました。大きな目、望遠眼(<望遠鏡型に変型している目)、上を向いた目、前を向いた目、逆に小さな目、巨大な感覚器官、獲物を飲み込める口、発光器官、性転換、雌雄同体、チョウチンアンコウの雄の寄生・・・・・。
オニキンメやボウエンギョの仲間、キバハダカ、フクロウナギ、ペリカンアンコウ(<小さいけれども意外とボリュームがありました)、ダルマザメ、ハダカイワシ、ワニトカゲギス各種、などなど深海魚のおなじみの面々が見られました。
雌に寄生する前のチョウチンアンコウの雄の標本やボウエンギョの稚魚が見られたのは貴重な体験でした。深海魚の奇妙で多様な生活を実際の標本をもとに考えたり実感できました。
フクロウナギ(左:頭は下側)とStylephorus(右) フクロウナギは巨大な口、Stylephorusは前方を向いた望遠眼を持っている魚です。
フクロウナギはまれにしか網にかからず、そしてこのような完全な形で上がってくることはまれだそうです。たいていは壊れている・・・・。一体、彼らの消化管どうなっているんでしょうねえ〜〜〜。
Stylephorusはなんともかんとも、以前本に載せたかったのですがあきらめていたものです。それにしても側面図は知っていたけど、こんなとんでもない顔だったなんて・・・・・・・・^^;)
チョウチンアンコウの仲間、雌と雌に寄生している雄。 このように寄生状態の雄が雌にちゃんとくっついた標本はめずらしいそうです。
写真の掲載は宮正樹さんに許可をもらいました。