生きもの

プロポーズ

摩訶ふしぎ図鑑

2011年11月発売

保育社

1800円

本文執筆・イラスト:北村雄一

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 概要:

 保育社の「生きもの摩訶不思議シリーズ」。今回は動物たちが行うプロポーズを取り上げ、性選択、あるいは性淘汰がテーマ。進化理論の祖であるダーウィンによる「なぜ派手なオスがこの世界にはいるのか?」という問いと、その具体的な解答を中心に本の内容を構成したので、取り上げた生物は自動的に鳥が中心になっています。また、章立ては、

:性選択

:色と光とカロチノイド

:ハンディキャップとランナウェイ

:レック

以上のように4つとしました。

 (概して)メスがオスを選ぶことで派手なオスや奇妙な求愛が進化する。ダーウィンはこの性淘汰の理論で鳥類、昆虫や爬虫類、霊長類を含む哺乳類、魚類などの派手な姿を説明しました。しかし、昆虫や哺乳類ではむしろ戦いに勝ったオスがメスを独占するという、同性同士で起こる淘汰の方が典型的なようです。この本の第1章でも述べましたが、幾つかの文献によると、例えばシカの角は武器であって装飾ではないという見解が支配的です(オオツノジカは例外だと言われています)。

 一方、鳥類ではメスが派手なオスを選ぶ具体的な様子や好みの傾向が確認されていますし、その理由や有様を調べた様々な研究があります。ダーウィンの考えた性淘汰の典型的な例は鳥だと言えるでしょう。鳥好きであったダーウィンらしい結果だとも言えますし、今回取り上げた29種類の動物のうち、24種類が鳥であるのはこういうことが原因です。また、性選択や色の由来、選択の意味と色の関係、ハンディキャップ理論などを解説したので、雌雄で役割が逆転している鳥などは紹介しませんでした。

 なお、鳥でない動物は

:ピーコックスパイダー

:グッピー

:ダルマニイ(シュモクバエの一種)

:フルシフェル(シクリッドの一種)

:アルディピテクス(化石人類)

以上の5種類。人類は哺乳類の中では例外的に性淘汰で進化が進んできた可能性がありますが、それを子供向けに紹介したのも今回のテーマのひとつです。

 

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