忍者生物 摩訶ふしぎ図鑑
2010年1月31日発売
*一部では2009年の12月23日に店頭に並びました
保育社
1800円 本文執筆・イラスト:北村雄一
概要:
また、この本は保育社から出版されている「生きもの摩訶ふしぎ図鑑」シリーズの第4巻として制作されています。この本のテーマは擬態を中心として色々と特殊な能力を持った動植物たちとその生態です。そういうわけでタイトルが忍者生物になりました。
木の枝に擬態するパプアガマグチヨタカ
木の葉そっくりでオタマジャクシは砂の中でくらす奇妙なカエル、オトフリネ・ピブルニ
有毒なチョウ、トンボマダラそっくりにベイツ擬態したトンボシロチョウ
ハチそっくりなカミキリムシ、トガリホソコバネカミキリ
有毒なシマキンチャクフグに擬態するノコギリハギ
メスバチのふりをしてオスバチを誘うラン、フライオーキッド
集団でメスバチに擬態するツチハンミョウの一種、メロエ・フランシスカヌスの幼虫
異様な尻尾で獲物を誘うヘビ、プセウドケラステス・ウララクノイデス
肉食のシャクトリムシ、オリクロリス
発光信号を擬態して他種のオスを誘って食べるフォツリス・ベルシコロルのメス
色々な有毒動物に擬態するミミックオクトパス
水の上を走るバシリスク
粘液を放出するカギムシ
ヒツジの皮をかぶったオオカミ、クサカゲロウの一種、クリソパ・スロッソナエ
など、隠れ蓑(隠蔽擬態)、成りすましの術(ベイツ擬態)、待ち伏せの術(攻撃擬態)、びっくり忍法(その他の能力、奇妙な擬態など)、4つのテーマにざっくりわけて55種類の動植物を紹介。
備考:
48ページ:子供時代は有毒な大型ヤスデに擬態するトカゲ、ディプログロッスス・レッソナエ Diploglossus lessonae の論文を参考文献に入れ忘れていました。
Vitt 1992. Mimicry of millipedes and centipedes by elongate terrestrial vertebrates. Natinal Geographic Research and Exploration 8:pp76~95
なお、この学名にエルドラードギャリワスプという呼び名を与えて紹介している場合もあるようです。
50ページ:同様に子供時代はいわゆるヘッピリムシの一種に擬態するトカゲ、ヘリオボルス・ルグブリス Heliobolus lugubris の論文を参考文献に入れ忘れていたので以下に紹介します。
Huey and Pianka 1981. Natural selection for juvenaile lizards mimicking noxious beetles. Science 195:pp201~203
なお、この論文におけるこのトカゲの学名はEremias lugubris でした。
以上の2つの概要は例えば[Herpetology] 3ed, Vitt and Caldwell 2009, Academic press でも見ることができます。
78ページ:イドロマンティス・ディアボリカIdolomantis diabolica には和名としてニセハナマオウカマキリとかアクマハナカマキリという呼び名がありますが、複数で統一されていないので学名のまんま読みで紹介しています。
*和名が今ひとつ不明瞭な場合はディプログロッスス・レッソナエと同様、基本的に学名読みという方針で本を作成しています。