絵でわかる古生物学

2016年6月発売

講談社サイエンティフィク

2000円+税

本文執筆・イラスト:北村雄一

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 概要:

 古生物学の基本を解説する本で、各見開きごとにイラストが1枚入ります。

 監修者は軟体動物をご専門とする東京大学名誉教授の棚部一成博士です。

 また、化石のほとんどは保存されやすい硬組織を持つ生物で、バクテリアや石灰藻、海綿動物、刺胞動物のように礁を作る生物群、節足動物、腕足動物とコケムシ、軟体動物、棘皮動物、筆石(半索動物)、脊索動物、陸上植物なので、それらをご専門とされる研究者に協力していただいています。

 古生代の礁については足立奈津子博士、腕足動物については椎野勇太博士、節足動物については鈴木雄太郎博士、棘皮動物については大路樹生博士、脊椎動物に関しては大橋智之博士と高桑祐司博士に、さらに陸上植物に関しては西田治文博士に協力していただいています。

 また、第四紀と氷河期に関しては北村晃寿博士に助言、ご意見を、さらに人類の記述には海部陽介博士に協力していただき、生形貴男博士には古生物学の歴史と化石記録の解析に関して貴重なアドバイスをいただいています。

 日本の古生物学会をある程度知っている人なら気づくでしょうが、これは非常に豪華な顔ぶれです。それと私事ながらイラストレーターとしての取り分で計算すると、この本ではイラストの単価が1枚1000円になっちゃってます。古生物学が非常に多岐にわたる分野であるために監修者は複数、さらに専門的なイラストを大量にそろえなければいけないこと(この本では100枚)、そうであるにも関わらず、地味な内容なので売れないから投資を回収できないこと。そのため、ごく限られた予算で安価でないと作れないこと。以上を考えれば、多分、もうこういう本は書けないでしょう。

  

 内容

 第1部 地球の歴史と地質年代の説明 それぞれの時代の代表的な化石紹介

 地球の歴史

 先カンブリア時代 ストロマトライト グリパニア 這い痕化石

 エディアカラ紀 ディッキンソニア キンベレラ クラウディナ

 カンブリア紀 三葉虫オレネルスとレドリキア アノマロカリス シドネイア

 オルドビス紀 筆石(テトラグラプタス) サカバンバスピス エンドセラス 三葉虫アサフス

 シルル紀 筆石(モノグラプツス) プテリゴトゥス ペンタメルス 三葉虫カリメネ クサリサンゴ

 デボン紀 ダンクルオステウス クリメニア マンティコセラス 三葉虫ファコプス アカントステガ(pp27でイクチオステガとあるのはアカントステガの誤植

 石炭紀 アーケオシリス リンボク フウインボク ライオノセラス ゴニアティテス 三葉虫フィリップシア

 ペルム紀 イノストランケビア コルダイテス グロッソプテリス ヘリコプリオン クセノディスクス 三葉虫シュードフィリップシア

 三畳紀 サウロスクス プラテオサウルス バイエラ ウタツサウルス セラタイテス

 ジュラ紀 イクチオサウルス ヒボリテス レプトレピス プシロセラス ダクティロセラス

 白亜紀 厚歯二枚貝 フタバサウルス ティラノサウルス アルカエオフルクトゥス ニッポニテス

 古第三紀 プレシアダピス ヒラコテリウム パキケタス バシロサウルス ヒエノドン 貨幣石 アツリア

 新第三紀 ゴンフォテリウム デスモスチルス メリキップス アウストラロピテクス ビカリア

 第四紀 ケナガマンモス スミロドン ホモ・サピエンス

 

 第2部 化石に残りやすい硬組織を持つ生物群それぞれの解説

 化石とはなにか?

 バクテリアと石灰藻

 原生生物

 海綿動物

 刺胞動物

 エディアカラ生物群

 節足動物

 腕足動物とコケムシ動物

 軟体動物

 棘皮動物

 筆石(半索動物)

 脊索動物(脊椎動物を含む)

 植物(陸上植物)

 

 第3部 古生物学の各論

 復元

 分類学、系統学、分岐学

 年代測定

 大陸の移動

 氷河期

 古生物学の歴史

 化石記録の解析と断続平衡説の歴史的意味 *この本では、グールドの断続平衡説は化石記録の見直しに刺激を与えた、という歴史的な側面を評価しています。

 

 

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