巨大な口と牙を持つ魚たち
深海生物図鑑:pp142~143
イラストの説明
深海の中層以深、700mより深い場所にも分布する魚で、特に牙や口が発達したものが描かれている。ほとんど妖怪図鑑と化しているこの本の趣旨がよく反映されているイラスト。
オニキンメ(Anoplogaster cornuta ) :キンメダイ目(Order Beryciformes)
上、左側の魚。分布の具体的な深度について書かれている文献を知らないが、取りあえずここに収めることにした。口は閉じられない(益田 et al 88. 解説:清水)意外と小さい魚で9cm(Nelson 94 では最大16cm、上野 et al 83 では12cmの記録がある)
ペリカンアンコウ(Melanocetus johnsoni) : アンコウ目(Order Lophiiformes)
上、右側の魚。分布する深度は100~2000m。9cm(雄は2.8cm)
キバハダカ(Omosudis lowii) : ヒメ目(Order Aulopiformes)
Nelson 94 によればヒメ目の中でも系統的にミズウオに近い。イラストでは望遠鏡眼のようだが、これは目の周りを囲む半透明のゼラチン質のものの開口部が上方に開いているため、文献によると目自体は側方を向くとある(上野 et al 83)。なおウロコと発光器はもっていない。写真などでみる限りでは身体は銀色かメタリックな白。23cm
付記:魚類の学名と和名は中坊 95 を、分類の学名と和名はNelson 94 と上野&坂本 99 を参考にした。