雑種は分岐図では、例えばこんな風に示される(おそらく・・・)。その過程は具体的にはこんな感じ?

 

 注:以下で北村が示す仮想的な例がどの程度妥当なのか、あるいは実際の雑種、ってものがどのようにして雑種だと分かるのか?、あるいは判断されるのか、結論を下すまでにどういう過程を経るものなのか?。それはこれから調べます^^;)

 また、トノサマガエルとダルマガエル、その雑種を解析したらどうなるのか?、などもこれから検討します。ようするにこのコンテンツの話は”掲示板での会話”に近い、非常に気楽な内容ですのであしからず。

 さらに、現在のところ図の作成が間に合っていないので、分岐図は()で示しています。例えば、私、私の弟、私の従兄弟、の3者がいた場合、その血縁関係は、

(私の従兄弟(私 私の弟))

という形で示されます。

 

 ここに、α、β、γ、δ、εという生物がいたとします。彼らが持っている特徴は以下のようなものです。

 α:aaaa11

 β:acba11

 γ:aabb13

 δ:aabb31

 なお、それぞれの特徴は左から1、2、3と番号で呼びます。

例えば、αの特徴 aaaa11 は左から

 1番目は a 2番目は a 3番目は a 4番目は a 5番目は 1 6番目は 1

という状態にあります。

 さて、仮にαと比較した場合、β、γ、δの”特徴3”が共に”b”であることが分かります。つまり、これら3つの生物では”特徴3”が共通するのです。ですからβ、γ、δが共通の祖先から”特徴3”を遺伝により受け継いだと考えることができます。

 同じようにγとδの”特徴4”がともにbであることは、彼らが彼らだけの共通の祖先を持っていることを暗示しています。

 γの特徴6が”3”であること、δの特徴5が”3”であること、これらはγとδの固有のものです。

 以上の特徴から分岐図を作るとこうなります。

 (α(β(γ δ)))

 さて、ここでγとδが交配して雑種が産まれました。この雑種をεとします。εの持っている特徴は、

 ε:aabb22

 になりました。両親、あるいは親となった種であるγとδが持っていたそれぞれ固有の特徴は、交配した結果、中間の性質になったとしています。だからεが持っている特徴5と6は1と3の中間である”2”と示されています。さて、この場合、εは分岐図ではどこにくるでしょうか?。

 仮に、特徴5が”1以上である”ことを共通の状態であるとすると、特徴5が1以上の状態になっている”2”を持っているεと、”3”を持っているδが共通の祖先を持っていることになります。

 ε:aabb22

 δ:aabb31

 β:acba11

以上のように、εとδは、例えばβと比較して”特徴5”が”1以上である”という共通の特徴を持っています。

 それを分岐図で示すとこうなります。

 (α(β(γ(δ ε))))

 

 ですが、特徴6が”1以上である”ことを共通の状態であるということに注目すると、今度はεとγを束ねることができます。

 ε:aabb22

 γ:aabb13

 β:acba11

 以上のように、εとγは、例えばβと比べると特徴6が”1以上である”という状態を共有しています。これはεとγだけが共通の祖先を持っていることを示しています。

 それを分岐図で示すと次ぎの通り。

 (α(β((γ ε)δ)))

 

 以上の2つの分岐図はどちらも同じくらい確かです。ですからどちらを選ぶべきなのか分かりません。さらに、以上の2つの分岐図を合わせて合意樹を作れば次ぎのようになります。

 (α(β(γ δ ε)))

 つまり、γとδと両者の雑種であるεは合意樹では多分岐になるってことですね。

 

 分岐図は分岐するしかないのだから雑種の系統を正確に表現できていない、と言われればそうなんでしょうけれども、この分岐図と、分岐図に分布する特徴などを合わせて検討すれば、雑種であろう、という推論が成り立つのではないかと思います。

 では、科学の世界である生き物が他の幾つかの生き物の雑種である、ない、という判定がどう行われているのか?、ということはこれから調べます^^)。