有蹄類 : Ungulata
有蹄類(ゆうているい)は偶蹄類、奇蹄類、近蹄類やクジラ、そして絶滅した例えばメソニックス類のような動物より成り立つと考えられてきたグループです。
見ての通り主に植物を食べる哺乳類から成り立っていますが、植物を食べる=有蹄類ではありません。ウサギやげっ歯類、植物を主に食べるサルなどはここには含まれません。
また、すべての有蹄類が植物食ではありません。イノシシやクジラのように雑食、あるいは完全に肉食のものも存在します。また、メソニックス類は貝や小動物を食べたと考えられています。
有蹄類は形態から支持されるグループですが(例えばProthero et al 88)、近年の分子系統学の結果は有蹄類を支持しません。(例えば Murphy et al. 01。一般には長谷川&曹. 99 が参考になります。)
以下に、主な有蹄類のグループを簡単に説明しました。
偶蹄類 : Artiodactyla
外見の特徴としては、ヒヅメ(蹄)が偶数あることが目立ちます。本文でも述べていますが、レトロポゾンや一般的な分子系統学の解析ではクジラ類とひとつのグループ(Cetartiodactyla)を作ります。この場合、偶蹄類は側系統群となり、人為分類となります。
主な動物:ラクダ・イノシシ・シカ・ウシ・キリン・カバ
クジラ類 : Cetacea
外見の特徴は水中生活に適応してまったく変わっています。以下のように2つの大きなグループがあります。
ひげクジラ:シロナガスクジラ・ミンククジラ
歯クジラ:マッコウクジラ・マイルカ・アカボウクジラ・シャチ
奇蹄類 : Perissodactyla
外見の特徴としては、ヒヅメが奇数あることが目立ちます。
主な動物:ウマ・バク・サイ
近蹄類 : Paenungulata
外見の特徴はバラバラです。以下のような3つの大きなグループから出来ています。また、絶滅したグループとしてデスモスチルスがいます。
ゾウ:インドゾウ・アフリカゾウ
ハイラックス(イワダヌキ)
海牛:ジュゴン・マナティー