U Geminorum
ふたご座U星
ふたご座の矮新星(UGSS SS Cyg型の矮新星)
8.9~14.0等 100日?
2019年3月16日 20:55のふたご座U星
連なった小さな円は25倍の視野を示します。下の明るい星がふたご座κ(カッパ星 κ Geminorum)。ふたご座U星はそこから東に3・2度ほどいった場所にあります。スケッチは口径125ミリの望遠鏡で行なっています。
右上の大きな円は、ふたご座U星の周囲を50倍で見たもの。これは2019年1月27日に描いたもので、この時はふたご座U星は見えていません。
左下の大きな円は、ふたご座U星の周囲を50倍で見たもので、2019年3月16日 20:55の様子。三角の頂点を作るように暗い微星がぽつんと見えています。光度は手持ちのチャートを見る限り10等ぐらい。ちなみにスケッチ自体は口径125ミリで行なったのですが、2019年3月16日のおけるU星の観察は口径300ミリで行なっています。都市部の空で10等、11等台の星を125ミリで見るのはちょっとつらい。1月27日以来、13回目の観測で確認。
ふたご座U星は矮新星です。小さめで温度低めの赤い星と白色矮星が対になった連星で、赤い星から白色矮星にガスが流れ込み、円盤を作ります。円盤のガスはある程度たまると白色矮星へ落下し、位置エネルギーが熱に変換。ガスが高温になって輝き増光する。これを繰り返します。増光した時をアウトバースト(outburst)と呼びます。ふたご座U星が増光する周期は100日ぐらいだそうですが、かなり振れ幅があって、手持ちの資料では62日から257日とあります。
矮新星にはいくつか型があり、ふたご座U星の型はUGSS。UGは U Gemの略で、つまりふたご座U星自身のこと(ふたご座U星は最初に発見された矮新星でした)。つまりUGは矮新星を意味し、続くSSは白鳥座SS星を意味します。ですからUGSSとは矮新星白鳥座SS型という意味。ふたご座U星と白鳥座SS星は矮新星の代表格で、9等級前後にまで増光します。矮新星としては明るいものです。
参考:
[Observing Variable Stars A guide for the beginner] David H.Levy
[Burnham's Celestial Handbook]