NGC 2362
おおいぬ座τ星にある小さな散開星団
2017年12月19日 3:00のNGC2362
連なった円は25倍の視野とおおいぬ座δ星からNGC2362,NGC2367までの経路を示します
上右の円は200倍の視野でNGC2362
中央左は50倍の視野で二重星h3945 右下の円は200倍の視野でNGC2367を示します
おおいぬ座の尻尾の付け根にある黄色くて明るい星δ(デルタ)星ウェズン。そこから3度北東へいった場所にある星τ(タウ)星。この周辺にあるのが散開星団NGC2362です。
τ星は一見すると普通の星にしか見えません。しかし視線を外してτ星を観察すると、その周辺に、ぱっと微星が現れるのが見て取れます。スケッチ右上が200倍でτ星を見たところ。ごく狭い領域に星が集まり、さらに周囲がぼんやりと輝いていることがわかります。小さいけれども美しい星団です。NGC2362はもっとも若い散開星団だと考えられていて、その年齢は100万から200万歳程度だと言います。
この近辺は見るものが多く、NGC2362の下(方位で言うと北)にあるのが、おおいぬ座29番星。この星は食連星で、変光星としての名前は、おおいぬ座UW星(UW Canis Majoris)です。光度は4・7〜5・0 周期は4・393日。
UW星は連星ですから星が二つあるわけですが、質量はいずれも太陽よりもはるかに重く、19倍と23倍、あるいは19倍と32倍とする文献もあります。おおいぬ座UW星は天の川銀河でトップクラスに重く、明るい連星であるとされています。ちなみに超巨星ベテルギウスの質量は太陽の20倍より下、文献によって数値はまちまちですが19倍とか15倍。
このさらに下(方位でいうと北西)にあるのが二重星h3945。これはオレンジと青灰色、明るい二星が並んだきれいな重星です。
そのさらに下(方位でいうと北東)にあるのがNGC2367。これも小さな散開星団です。ただし2362よりも暗く、自分が使っている口径12・5センチではいくつかの星が集まっているとしかわかりません。