Moon

月齢6

 

2014年10月30日、18:00〜21:00にかけてスケッチした月

30日正午における月齢は6.2

スケッチの時の月齢は6.45~6.58となります

ここでは月齢6として扱うことにしました

当日の空は当初はきれいだったものの雲が出たために、中途半端な仕上がりです。また気流の状態が不安定で、比較的きれいに見える場合もあれば、ひどい状態になることもありました。

*ちなみに望遠鏡で月を見ると、上下左右が反転して見えるので注意(ようするに以上の画像をひっくり返した形で見えます) 

 

 半月一歩手前の月です。マレ・セレニタティス(MARE SERENITATIS)、すなわち晴れの海が全体を現しました。こちらから見て左隣にあるマレ・インブリウム(MARE IMBRIUM)、すなわち雨の海とのちょうど境界に明暗境界線がかかっています。雨の海はまだ姿を見せていません。

さて、この月を見ると、晴れの海よりも下(つまり南)には大きなクレーターが見当たりません。また、画面で言うと右下がり、斜めになった地形が赤道を越えて南半球にまで広がっていることが分かります。幾つかのクレーターを抜かすと、ここには明瞭な影もありません。地形の高低があまり顕著ではない、ということでしょう。

大きなクレーターが無い事は、地形が新しいことを示します。つまり古い地形が何かに覆われてしまったのでしょう。

斜めになった地形は、放出物が一カ所から広がったことを示唆します。

以上のことからこの地形は、巨大クレーターである雨の海が隕石衝突で出来た際に、放出された放出物で形成されたと考えられています。ここには、晴れの海の南、明暗境界からやや外れた場所にクレーター、ユリウス・カエサル(Julius Caesar)があります。カエサルというと言わずと知れた共和制ローマ末期の政治家ですが、大政治家の名前をつけたにしては、かなりくたびれたクレーターです。深くもなく影もはっきりしません。形も崩れています。それは赤道を挟んでほぼ同じ緯度にある二つのクレーター、アブールフィダ(Abulfeda)とアルマノン(Almanon)を見れば明らかです。アブールフィダもアルマノンもはっきりと影が見え、輪郭がしっかりしています。

クレーター、ユリウス・カエサルのこのくたびれた様子もまた、雨の海(マレ・インブリウム)からの放出物によるもので、雨の海の成立という月の歴史を感じさせるものです。

  

 

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