M71 (NGC6838)
や座の銀河に埋もれた球状星団 メシエ71
2017年6月20日 月が出る前の1:00と月が出た後の3:00の様子
20日の正午月齢は25.3 月の出は日付が1:18 月はおひつじ座の南
スケッチ下の50倍が月の出る前、上の25倍が月の出た後
や座はわし座の北、天の川のただ中にある小さな星座です。一方、や座の球状星団M71はあまり明るい球状星団ではありません。このため、M71は背景の天の川に埋もれてしまって、なんだかよく分からない有様になっています。上のスケッチでは下の大きな円が50倍の視野を示し、中央にあるのがM71。しかしこれでは天の川のちょっと濃い部分という感じですね。正直、球状星団とは思えません。
50倍のスケッチの時刻は1:00。これは月の出の前で、この時点では肉眼でも天頂付近なら天の川がかすかに見えています。
M71はむしろ空がほんの少しだけ明るい方が見やすくなるようです。天の川が肉眼でも見えるぐらいだと、以上のように背景の星が作る濃淡に埋もれてよく分からなくなります。さりとて、M71は暗いので、さらに空が明るくなるとM71自体がよく見えなくなります。
スケッチ上の円は25倍の視野を示し、や座のδ(デルタ)星とζ(ゼータ)星からM71までの経路を示していますが、時刻は3:00。三日月が上がった後のスケッチとなります。肉眼で天の川が見えなくなり、25倍ではM71も見ることができません(ただし50倍ではまだ見えていました)。