M109 (NGC3992)
おおぐま座の棒渦巻銀河 メシエ109
2019年12月4日 3:00のM109
M109はおおぐま座の銀河で、北斗七星のひしゃく、その後ろ底の角を作るγ星フェクダ(Phecda)のすぐ近くにあります。本によるとメシエ番号では載っておらず、NGC3992でのみ紹介されています。画面中央の円の連なりは75倍の視野を示し、画面下の明るい星がフェクダ(Phecda)。その上(方位で言うと南東)へいったところにM109がしみになって見えています。右の大きな円は150倍で見たM109の姿。
M109(NGC3992)はハッブル分類ではSBb やや巻きがきつい棒渦巻銀河です。画面右の大きな円は150倍の視野を示しますが、M109は中央に明るい部分があり、その周りに淡い光が広がっていること、そして明るい中心から左右に伸びた構造があることが見て取れます。天体写真と比較するに、これは棒渦巻銀河であるM109が持つ、棒の部分が見えているらしい。
棒渦巻銀河は棒状の構造が中心を通り、棒の両末端から巻いた腕が伸びるという作りをした銀河です。単体ではっきりした非対称な構造を持つ唯一の天体であり、この構造はヤコビ楕円体やリーマン楕円体で説明されています。ガスのような流体は回転させると遠心力で扁平になる。しかし角運動量を与え続けていくと細長い葉巻型になってくるくる回るようになる。これがヤコビ楕円体です(内部運動が起こるものはリーマン楕円体)。棒状の姿でくるくる回るという、棒渦巻銀河の奇妙な姿はこのように説明されています(「現代天文学講座9 銀河と宇宙」pp69 恒星社 s56)
参考:[Burnham's Celestial Handbook]