Q:ロンギスクアマという鳥の祖先が見つかったそうですが?

 A:ロンギスクアマを鳥の祖先と考えることはできますが、それはかなり無理のある考え方です。

 

解説:ロンギスクアマは中央アジアから見つかった小さな爬虫類です。背中に羽毛のような器官があったために、この動物こそ鳥の祖先ではないかと考えた人たちがいました。ですが、その特徴の他には、ロンギスクアマには鳥に似た特徴が特にありません。

 反対に、ディノニクスやヴェロキラプトルという肉食恐竜は数多くの特徴を鳥と共有しています。例えば

眼の前にある穴

長い涙骨

くぼみのある方形骨

Sの字に曲がる首

長い肩甲骨

広い胸の骨

3本の指

手首の半月型の骨

恥骨が後ろに向いていること

坐骨の形

骨盤の関節部分が貫通していること

などなどなど・・・・。

 それに羽毛まで持っています。

 一部の研究者はヴェロキラプトルのような肉食恐竜は鳥の祖先ではない、羽毛を持つロンギスクアマこそ鳥の祖先である、そう言います。ですが、羽毛はそもそもヴェロキラプトルにもあるんですね。

 それにヴェロキラプトルが鳥となんの関係もないのなら、以上で上げた(正確にいうと上げ切れなかったほかにもたくさんある)特徴が他人のそら似(収斂といいます)なのである、そう考えなければいけません。

 これは科学的な考え方であるとは言えそうにありません。

 それよりはロンギスクアマが鳥やヴェロキラプトルとは独立して羽毛のような構造を進化させた、そう考える方がよりシンプルで受け入れやすい考え方なのです。

 つまるところ、ロンギスクアマが鳥の祖先であるという考えを採用する理由は特にないのです。

 

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