α Geminorum Castor 

ふたご座 α(アルファ)星カストル

左の円は2015年2月7日のもの、右の大きな円は2015年2月11日のもの。左下は星の様子を描いたラフスケッチとなります。

ふたご座のα(アルファ)星カストルは、地球からの距離がおよそ45光年。地球の近くにある星であり、なおかつ明るい二重星です。以上はそのスケッチで倍率は200倍。方位は上が西、右が南に当たります。左右、どちらの円も200倍の視野を示しますが、左よりも右の大きな円の方が、星の方位や二重星の間隔をより正確に示しています。200倍の視野を120とした場合、二重星の間隔は目算で2、あるいはそれ以下といったところ。実際の角度は資料によると4.65秒で、低倍率では分離出来ませんし、200倍でも、空の状態が悪いとまたたく二星が一体化してひとつの星に見えてしまいます。

カストルの主星は画面で言うと上、方位では西に当たる星で、伴星と比べるとやや明るく見えます。ただし実際の光度にはおよそ1等級の差があって、主星であるカストルAが1.9等、伴星であるカストルBが3.0等です。

カストルは以上のように有名な二重星ですが、実は三重星です。画面右、方位でいうと南に少し離れた場所に暗い星がありますが、これが三つ目の星カストルCです。この星は赤色矮星であり、YY Germinorum とも言って食変光星です。手持ちの資料では光度9.1~9.6等。カストルA、Bの近くにあるので、一番手軽に見つけられる赤色矮星かもしれません。食変光星という言葉から分かるようにカストルCは連星で、それぞれの星は太陽の半分ほどの重さを持ちます。

さて、以上三つの星、実はそれぞれが分光連星です。つまり、カストルA、B、C、これら全部が二重星なので、全体では六重星ということになります。なお、三つの星の南西側、つまり画面右上にもうひとつ暗い星が見えますが、これは関係ない星です。

 

参考:

[Guidebook to the Constellations]

[Burnham's Celestical Handbook]

 

 

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