Canopus

カノープス

りゅうこつ座 α(アルファ)星

2013年12月22日 午後11時58分 神奈川より見るカノープス

地平線ぎりぎり、遠くのビルとその警告灯より、ほんの少し高く上がった所で光っている様子

この時の高度は地平線からおよそ2度45分程度

腕を伸ばした時、指2本分ぐらいの角度です

これは遠くの警告灯じゃないのか? と思えるほど地平線に近く、かつ赤く写っていますが、

激しくまたたくこと、

歩いていくと地平線周囲の建物は星に対して動くのに、

事実上、無限遠にあるカノープスは他の恒星に対して動くということがないこと、

これらをもって警告灯と区別できます。

 

 Canopus

 カノープス

 カノープスはりゅうこつ座のα(アルファ)星で光度は−0.9等。以上の画像で一緒に写っているおおいぬ座のシリウス(光度-1.4等)に次ぐ、全天で二番目に明るい星です。ただし、南の星なので、北半球にある日本では見えてもごく低く、神奈川県では2度〜3度程度の高度にまでしか上がりません。関東北部では見ることが厳しくなり、福島より北では(高い山に登るなどするならともかく)まったく見えなくなります。

 また、地平線近い太陽とその光が、大気を長く通過して弱まり赤く見えるのと同様、カノープスも赤く暗く見えます。以上の写真でも、まるで警告灯であるかのように赤く写っているのはそのせい。

 それに地平線に近いと大気のゆらぎの影響を受けやすいので、またたきが非常に強烈です。ほとんど見えなくなったかと思うと、突然、明るく輝くこともあります。

 神奈川でカノープスを見るには、時間はオリオン座のベテルギウスが南中をやや過ぎて、おおいぬ座のシリウスが間もなく南中に入る時刻。場所は腕を伸ばした時、地平線から指1本分より上は空が開けている所でなければいけません。少なくとも南がそうでないと見ることはできません。南北に長く道路が走っている、その場所が周囲よりも高い、あるいは南が海である、川が南北に流れて南方の視界が開けているなど、そういう条件が必要です。さらに地平線の向こうまで雲がなく、なおかつ大気の透明度が良いことが条件です。見上げる空自体が晴れ渡っていても透明度が良くなかったり、太平洋上に雲があれば全然見えないこともあります。

 反対に条件さえ満たせば、色々な時期に見ることが可能。

 *個人的には9月29日の早朝、夜明けぎりぎりに見たことがあります。

 

 Carina カリーナ

 りゅうこつ(竜骨)座

 ギリシャ神話に登場する英雄たちが乗り込んだ船、それがアルゴ・ナヴィス(Argo Navis)です。この船に基づいた星座がアルゴ座ですが、大きいために1752年、フランスの天文学者ラカイユ(N.L.Lacaille)によって分割されました。分割後の星座はりゅうこつ座、とも座、ほ座、らしんばん座の四つです。カノープスがあるりゅうこつ(竜骨)座は南に低く、関東からはカノープスを望める程度です。

 

 Puppis プッピス

 とも(船尾)座

 アルゴ座から分割されて出来た星座です。おおいぬ座の南東にある星座で明るい星はあまり多くなく、目立ちません。

 Naos ナオス ζ(ゼータ)星 2.3等 ギリシャ語 naus(船)に由来 

 *ナオスはとも座で一番明るい星ですが、分割もとであったアルゴ座時代のギリシャ文字が当てられているので、α星ではなく、ζ(ゼータ)星です。

 

 参考:「星の事典」鈴木駿太郎 恒星社版

 

 

以下は文字が入っていない画像です

 

戻る=>