Q3 : 系統学は信用できるの?

 A3 : 信用できるできないなどという”科学的でない”発想をする前に、教科書や論文を読んでどの程度”確からしいか”を理解しましょう。

 

 系統学や分岐学は推測ばかりしている、そうした推定に基づいた恐竜の進化の道筋も信用できるのか?という人がいます。中には信用できない!!という人もいます。

 ですがそういう人たちに逆に質問すると大抵の場合、系統学(および分岐学)でどのように系統を”推定”しているのか答えられません。そればかりか、そうした人に限って推定ではなく、憶測から”新しい発見”をしているように思えます。

 実際のところ、系統学では現在入手できる情報から過去起こったであろう生物の進化の歴史を推定し、そしてその結論がどの程度妥当なのか、その確からしさを数値化して出しています。そうした推定は統計学や推計学のような数学と密接に関わっています。

 ですから系統学の(少なくともまともな系統学の)論文ならば、どんなデーターを用いて、どんな前提に基づいて、どんな解析を、どのようなプログラムで解析したのか。そしてその推定値がどの程度妥当なのかが明らかにされています。

 このように検証可能な形で論文が発表されているのですから、論文や方法論、推定値の出し方などの理解もしないうちに”信用できる、できない”などとオカルトなことを言うのは建設的であるとは思えません。系統学はオカルトや占いではなく、れっきとした科学なのですから、まずは教科書や論文を読みましょう。

 付記:北村はオカルトや占いが悪いとは思いません。また、信じる信じないではなく、”それらを信じる人たちがいる”ということはまぎれもない事実であり、大きな影響力を持っていることに非常な興味をもっています。ですが、そうしたオカルトや占い、直感というものと科学をゴチャマゼにするのは建設的なことではないと思います。