Solidicorbula

クチベニガイ属

クチベニガイ

Solidicorbula erythrodon

 房総半島以南に分布する小さな二枚貝で、大きさは20~23ミリくらい。見れば分かるように殻の内側の縁があざやかなピンクです。まさに名前の通り、口紅をつけたような姿。写真下段左の貝殻は磨耗しているのでしょう、表面がなめらかになって色もあまり残っておらず、全体として真っ白な磁器のような質感になっています。殻の厚みは2ミリくらい。これはなんてことのない数字に見えますが大きさの割りには非常に分厚い殻を持つ二枚貝です。大きく成長するのに殻がぺらんぺらんでツメタガイに穴をあけられまくりなバカガイとは大違い。反対にクチベニガイの殻には捕食者に対抗する仕組みが幾つかそなわっています。そういう意味ではなかなか興味深い種類といえるでしょう。

 クチベニガイの貝殻は、良く探すと相模湾などでは比較的普通に見られます。とても頑丈なせいか、真っ白になるまで薄く磨耗していても貝の形はしっかりと残っています。小粒で目立ちませんがきれいな貝で、個人的には一番好きな貝殻ですね^^)。

 

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