Ruditapes

アサリ属

アサリ

Ruditapes philippinarum

 相模湾は江ノ島で拾ったアサリの貝殻を並べて撮影したもの。殻のてっぺんがむいている方向が前。だから写真で、てっぺんが左に向いている殻は左の殻。右を向いている殻は右の殻になります。てっぺんから放射状に広がるスジと成長の過程でできるスジがまじわるので殻の表面全体が布目のような感じになり、なおかつ後ろの方でそうした布目状のディテールがはっきりしています。また殻の後方はやや裁断状。それがアサリの特徴。

 白い部分が多いものや黒い部分が多いものなど模様にバリエーションがありますが、なかにはこんなものもありました。

青みがかかったものや、三角状のスジがついたものです。なかなかおしゃれな感じ。それにしてもこれが本当に同じアサリなのかどうかどうも自信がないのですが、正直、見分けがつきませんでした。幾つかのものは殻が前後(写真だと左右になります)に長めで、厚みがやや薄いようなのでアサリに近縁な別種、ヒメアサリ(Ruditapes variegata)のようにも思えたのですが、はっきりしたことは分かりません。

 じっさい、ヒメアサリは殻の内側が紅彩、あるいは黄彩をおびるそうです(「原色日本貝類図鑑」保育社)、でもこれらはみな白でした。もうすこしたくさんの貝殻を集めたりして知識と経験をつまないとはっきりしたことはいえなさそうです。特に上下左の貝殻はてっぺんがやや紫色になっています。こうした特徴が「原色日本貝類図鑑」で描写されているスリガハマガイ(Tapes platyptycha)の特徴と対応するので、もしかしたらアサリに近縁のスリガハマガイなのかもしれないとも思うのですが・・・・。でもアサリでもそういうのがいるんですよね。

 そういうわけでこれらはみんなアサリ、ということにしておきました。

 なお文献によるとアサリ属の学名にTapes属があてられているものがあります。

 

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