暴君と兵士

 

ある日、暴君は書類を見ていた。

そして暴君は兵士に尋ねた

「私は暴君と呼ばれている

そなたはなぜだと思う?」

 

兵士はしばらく考えるといった

「この国にいる人々の多くはあなたを

次ぎのように考えています。

私たちの王は

必要以上に残酷で暴虐な人である。

そう思われているから

あなたは暴君であると呼ばれているのです。」

 

「では、私が暴君であることで

私はどんな不利益をこうむると思うか?」

そう暴君が尋ねたので

兵士はしばらく考え、

そして次ぎのように答えた。

「暴君であるからには、

王よ

あなたは

人に恐怖されています」

 

暴君は書類を眺めながら答えた

「それはすでにそなたが言ったことだな。

そなたは私の質問に答えていないぞ。」

「続きがあります」

兵士は答えた。

「王よ、

あなたを恐怖する人々は

あなたに事実とは違うことを

しばしば言うでしょう。

あなたを恐怖するからです」

 

「そのことで、

いったいどんな不利益を私はこうむるのかな?」

暴君がそう尋ねると

兵士は答えた

「嘘で周りがふさがれてしまうでしょう。」

 

暴君は再び尋ねた

「そなたは、

そうしたことをされたことがあるか?」

兵士は答えた

「私の部下が嘘をついていました」

「その話は聞いている」

暴君はそういうと言った。

「では、どうやってお前はその嘘に気がついたのか?」

 

 

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