これまで、北村は魚竜にかんして論文をちゃんと読んでいなかったのですが・・・・。
先日、お気楽掲示板でも書いたように、Nature vol.393 1998 pp255~257
Ichthyosaurian relationships illuminated by new primitive skeletons from japan
を読んでいたら、
これまで一部の派生的な魚竜でsquamosalと同定されていた骨(<後頭部の骨)は新しく
見つかった原始的な魚竜ウタツサウルスを調べたところ、その骨はsquamosalではなくて
spuratemporalであることが分かり、幾つかの魚竜ではそもそもsquamosalがないことが
分かった・・(例えばJournal of vertebrate Paleontology 19(3)pp473~496 1999 Motani
を見ると、イクチオサウルスの頭骨には少なくとも図を見る限りこの骨が見当たらない・・・・)
というくだりが出てきました。うひゃ〜〜〜、^^;)えらいこっちゃですねえ。
Motani 2000ではやはり原始的な魚竜グリッピアの骨の同定に関してもうすこし面白い話が
出てくる様子・・・・。
いずれにせよ、こうした同定の見直しは当然、系統解析に影響を与えます。以前、
yamanakaさんが書き込んだみたいに。
その一方で北村が思うのは、「系統分類学」 文一総合出版に書いてある、相同性の形態基準
の話pp150~ 思うに、骨とか器官とか、特徴とかの相対的な位置から相同/相同ではない、
を導く作業とは、プチ系統解析ではありますまいか?。だって類縁があるから相同があるので
あって、相同の部分が見つかるから類縁があると私達には認識できるわけですよね?
(注:これは循環論法にあらず、むしろパズル合わせに近いと思いますけども)
他の幾つかの動物には見られない、特別な同じ特徴である、と思える特徴を幾つも
持っているから、ウタツサウルスとイクチオサウルスは同じ系統=魚竜である、と言えるの
ではありますまいか?。
これってプチ系統解析だと思うのですが、いかがでしょう?。
もちろん、系統って概念がなくても相同ってことは言えるもので、実際にオーウェンが
それをやっているわけですよね。系統なんて知らなくてもそれができる。でも、結果的に
それは系統を眺めているのだから、やっぱり上に書いたようなことになりませんかなあ〜〜〜〜。
[2002/12/03 02:12:49]