記事タイトル:逆転しない(かもしれない)歴史 


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お名前: 北村@   
 この書き込みは上の書き込み、考えてみればの続きです。

 Mochizukiさん>まあ、北村が考えるに、過去の特徴が復活するかどーかと言ったら、
まったく同じものができるかどうかはしらないけど、外見上区別できないものができたりすることも
ありえそうだ、というとこでしょうか?。

 逆にいうと”一度失われた形質は逆転しないことが起こりうる”という程度の事柄を

 ”系統のどこでも適用できる法則”

 であるかのようにいうのはどーなんでしょう、と疑問を持ってしまう。

 であるからこの程度の事柄にドローの法則なんてすごそうな名称を与える必要が
あるのか?、というわけですね^^)

 やっぱりねえ、北村が思うに、ドローの法則で系統解析って話を聞いて、ウンウン^^)
と鵜のみにした人は生物学と物理学をごちゃまぜにしていると思うのですよ。
生物の個体と水素の水素分子が同じようなものであると考えているのじゃないかなあ?。
もしそうだとすると、そうした人が系統や進化の話で誤解するのは当然なんですよね。
水素分子は進化したりしないけど(星の進化っていっても、あれは生物や言語の進化とは別もの)
生物は進化しますからね^^)。生物は同種ってひとくくりにされる個体でも個体によって
性質は違う。しかし水素分子に違いはない(<つまり進化:Evolution は起きない)。


 鼻の孔の位置の話はぽーと見たことがあります。鳥とワニから絶滅した恐竜の特徴を
推測するって話だったと思いましたが、そういうことは分岐図なり、系統なりを
作成すればできますよね。

 もっとも、鳥とワニから絶滅した恐竜が温血なのか、あるいは代謝はどのくらいなのか?、
という推測はできないか、難しいとは思いますけど^^)。

 
[2003/04/27 10:44:48]

お名前: MOCHIZUKI Sunao   
スレ移転ありがとうごさいますm(_ _)m

> やっぱりねえ、北村が思うに、ドローの法則で系統解析って話を聞いて、ウンウン^^)
>と鵜のみにした人は生物学と物理学をごちゃまぜにしていると思うのですよ。

少なくとも私の場合は物理学に偏っている傾向はありますね。
高校の物理を習いたての当時、初期条件を完全に記述できれば
過去も未来も、自分がこの後どう考えるのかも予定調和であると思い込んだクチです。
その意味で、先の投稿(スレッド「考えてみれば」)で
個体発生の連続的な情報(初期条件)を完全に記述できれば確率論的な不可逆性を
系統解析にも適用できるのではないかなぁ、と思ってしまったわけです。
当然、現実には不可能な話ですが。

物理法則は演繹的にあらゆる系で成立することになっています。
大事なのは、物理法則が単純明快な方程式で表せるのは
往々にして極めて単純なモデルを考える場合ということで、
いくつもの系を組み合わせた複合的な系では
方程式を連立させていく、すなわち束縛条件が増えていくわけです。
そのために法則を適用する範囲は狭まりますが、その範囲では真ですよね。
# 前スレでドローの法則は正しい、といったのはこういう理由です。
ということは一般的な意味のドローの法則「一度失われた形質は逆転しない」は
それが成立する条件を明示してないので偽でありえますし、
実際に”系統のどこでも適用できる法則”ではないでしょう。
またも小難しく遠回りしてみましたが、
なんか結局「法則」という言葉の定義の問題っぽいです。
あぅ。

# なんか、私がドロー周辺を反芻するスレになってるなぁ。
[2003/05/01 09:58:03]

お名前: MOCHIZUKI Sunao   
> 鳥とワニから絶滅した恐竜が温血なのか、あるいは代謝はどのくらいなのか?、
>という推測はできないか、難しいとは思いますけど^^)。

というか、無理でしょうね。
鼻孔の位置の議論で重要なのは、
「ワニでも鳥でも同じ」場所に孔があったという点でしょう。
	a≦b≦c かつ a=c ならば a=b
ってかんじ。中華竜鳥と現生の鳥で羽毛が見つかってるから、
中華竜鳥より鳥に近いティラノには羽毛があった、って言うようなもんです。
(もっとも、ティラノで「2次的に」羽毛がなくなってる可能性はありますが)
少なくとも、ティラノを挟むのが中華竜鳥じゃなくて
(羽毛が見つかっていない)アロだと議論が成り立たないですよね。
そう読むと、温血説とか鳥の起源の議論て結構穴があるかも。
# 具体例挙げられないので意味のない発言ですが。
[2003/05/01 09:58:41]

お名前: 北村@   
 Mochizukiさん>物理法則は演繹的にあらゆる系で成立することになっています>
う〜〜〜〜むむむ、それはどうでしょうか?。演繹、つまりAだからBである、という
ことがあらゆる系(まあ、あらゆる状況)で成立するというのなら、実験や観測は必要ないですよね。

 まあ、演繹だけで終わりにすると言っているわけではないですから、実験や観測は必要ない、
と言っているわけではない、といえばそうなのですが・・・。

 いやあ、北村は

 ”科学が好きだと言っているのに演繹すれば実験や観測は必要ないって言い切る人”

を何人も見てきたので、以上の発言だけを見ると”むむっ!!”と感じる次第^^)

 ちなみに、物理学では演繹で仮説を見つけるけど、それが無条件で正しいとは考えていません
よね(絶えず成り立つとMochizukiさんが言っているかというとそうではないと思いますが)、
もし”成り立つ!!”と物理学者が思っているのならニュートリノの発見もニュートリノの
質量の発見もないのでしょう。いや、そもそも地球が球体であることも分からない。


 ドローの法則についていえば、成り立つこともあるだろうし(直感的には成り立つことが
多いように思えるけど・・・実際はどーなんだか)、成り立たないこともありうるだろ〜〜〜。
だから、成り立つ!!と仮定して解析するとはどーしたものか?、というのが北村の懸念っ
てわけですね。

 アロだと議論が成り立たない>だもんだから「恐竜と遊ぼう」ではシノサウロプテリクス
を加えて議論したのですよねえ〜〜〜^^)(<「恐竜と遊ぼう」のpp44~51.pp56~57のくだり)
あの本では”化石が不完全で観察できない特徴”をあげることをしなかったので、シノサウロプテリクス(<
知らない人のためにいうと中国から見つかった小さな肉食恐竜で羽毛/あるいは体毛らしい
ものを持っている)の系統上の位置がそれほど強くはないの。1つ収斂が多いと
仮定するとpp51 の生命の樹はティラノサウルスがカルノサウリアであるということになって、
ティラノが羽毛を持っていたとは言えなくなる。あの生命の樹自身はあまり強い生命の樹ではない^^;)。


 鳥の起源の議論て結構穴があるかも>どーでしょう。温血説はたいした根拠があるとは
思えませんが、鳥の起源って確からしい異論がでたことないですよね。逆にいえば
鳥の起源に異論を出す根拠がない。根拠がない、というのは消極的な理由でしか
ないけど、ヴェロキラプトルと始祖鳥の特徴を見るといわずもがなですのでねえ〜〜〜。
実際、両者は冗談みたいに相違点が少ない・・・。
[2003/05/01 22:54:07]

お名前: 北村@   
 おっといけない。上の書き込みで北村はシノサウロプテリクスの系統上における位置が
あまり堅くないと書いていますけど、実際はティラノサウルスですね。もっとも、あの
本のあの特徴のとり方、そしてあの恐竜達(アロサウルス、シノサウロプテリクス、
ティラノサウルス、ヴェロキラプトル 始祖鳥)で見るとティラノの位置が堅くない、
というだけで、ダチョウ恐竜とかを突っ込んでもっといろいろな特徴をとればかなり
堅くなりそうです。

 ただ、ティラノとシノサウロの位置関係はどーかなーとは考えちゃいますけど^^)

 まあ、ティラノサウルスはアロサウルスよりも鳥に近い血縁関係にある(>系統を名前で
呼べばティラノサウルスはコエルロサウリアであろう)というのはかなり確からしいと
言えそうです。

 鳥の起源に関しては、ヴェロキラプトルと始祖鳥(ひいてはいわゆる鳥)が非常に血縁関係が
近いことはいわずもがなで、ヴェロキラプトルよりも始祖鳥に血縁が近い動物といったら、
そうですねえ〜〜、名前が出た動物というと、例えばモノニクスとか、あるいはウネンラギアとか
ですか。今一つ彼らの位置は明瞭ではなさそうですけど、鳥に類縁が近い動物はいずれにせよ地上性である。
さらに

 ”鳥と呼ばれている系統+ヴェロキラプトルやディノニクス”

 に血縁が近い動物は
オヴィラプトル、さらにダチョウ恐竜(あるいはアルクトメタターサリアという呼び名で呼ばれる
系統)がやってくる。全部、地上性・・・・。まあ、現状では鳥の起源は地上性であろうー
ということになりそうです。マイクロラプトル(一般にはミクロラプトルですか?)が
樹上生活者であったとしても、系統関係から考えると鳥の祖先が樹上生活者であったという
仮説はそんな強くはサポートされないですよね。

 nature vol.408, 2000 pp705~708 The smollest known non-avian theropod dinosaur 
Xing etal 

 の系統樹/分岐図を見る限りはそう判断した方がよさそうです。
 
[2003/05/02 00:25:51]

お名前: 北村@   
 追伸:ちなみに、これを見ている人のなかには、北村の書き込みを見て

 「でも、これから新しい化石が見つかって、既存の”鳥の地上から飛行した”仮説が崩れるかもしれない」

 と思う人もいるのでしょう。そうした可能性があることは科学としてまったく正しい見解なんですけど、
人によっては”鳥の地上起源仮説”には違和感があるから、これは崩れるに違い無い!!と思い込む人もいる模様(<まあ、これは北村の個人的な観測からくる感想でしかないですが)。

 でも、将来、仮説がくつがえる可能性を指摘することで現状の堅い仮説に不信感を持つのは
単なる詭弁ですね。

 ネットとかでみると意外と多いのですよね、科学の仮説は覆る、だから信用できない、とか
どうなるか分からない、とかどの仮説も同じ価値があるとか、そういう言い分。
 
 ↑まあ、これを言うひとは赤信号と青信号が同じ価値を持っているというのでしょう。
どうやって生き残ってきたのか不思議ですが。
 
 
[2003/05/02 00:39:51]

お名前: MOCHIZUKI Sunao   
>演繹、つまりAだからBである、という
>ことがあらゆる系(まあ、あらゆる状況)で成立するというのなら、実験や観測は必要ないですよね。

> ”科学が好きだと言っているのに演繹すれば実験や観測は必要ないって言い切る人”
>を何人も見てきたので、以上の発言だけを見ると”むむっ!!”と感じる次第^^)

演繹があらゆる系で成立する、とは思ってますが
それは実験・観測を否定する理由にはならないと思いますし
少なくとも私は実験を否定する気は全く無いです。
問題はそこではなく、演繹の出発点である「A」が絶対的に正しいか、でしょう。
Aが正しくなければBは正しいとは限りませんからね。
その「AだからB」が、自然を正しく記述したものかを検証する作業、
むしろAやBを自然に沿って正しく記述する作業が
実験や観測なのだと勝手に解釈してますが。
でも、確かに
>>物理法則は演繹的にあらゆる系で成立することになっています。
という表現等、言葉足らずでした。
# 今回の投稿も十分に説明できているか心配です…

>>鳥の起源の議論て結構穴があるかも
憶測で物言っちゃいけませんね。
#って、入り口の注意書きにあるではないか
反省反省。
[2003/05/05 14:37:06]

お名前: 北村@   
 Mochizukiさん>望月さんの方がよろしいですかな^^)。

 演繹はあらゆる系で成立する>北村の懸念は、これではまるで正しい仮定に基づいて演繹すれば
結論はすべからく正しい、というように聞こえるってとこですね。Aが絶対的に正しいかどうか、
それだけを望月さんは問題にしているように聞こえますが、Aが正しく、さらにそれに基づいて
正しい演繹をしたとしても結論は観測と食い違うかもしれませんよ。

 実際、理論とあわない観測結果なんて幾らでもあります。仮定が正しく、正しい演繹によって
得た結論と実際の観察が違ってくる理由は、

 1:観測が間違っている

 2:自分達が考慮しなかった要素の影響(例えばA’)がそこにある

 のかもしれない。科学者は演繹だけでは満足しないから観測するし、実験もする。
たんてきにいえば物理学や化学や生物学は数学ではない。

 逆に言えば数学は自然科学ではありませんね(実験する数学というのもあるって話は聞いたこと
がありますけども)。

 ちなみに、演繹があらゆる系で成り立つ、って仮定の正しさはどう確認したらよいのでしょう?^^)
数学では話は簡単、最初から正しいと設定しているんだから(多分)。でも自然科学では
どうですかな?。


 いずれにせよ科学者はプラトンとは違いますよね。プラトンは実験したり、さらには観測することすら
しようとしなかったらしい。ようするに彼は矛盾のない言葉を語れればそれでよかったのかも
しれないし、多分そうなんでしょう。

 でも自然科学者はそうではない。

 Aが正しく、そこから演繹した過程も正しい、でも現実が結論Bのとおりかどうか、
それは観測したり実験したりしないと分からない。

 逆に言うと、世界が人間の演繹のとおりに動いてくれるかどうか、それを保証するのは誰なんでしょう?。
すくなくともそれは北村ではない。北村の知る限り、北村はこの世界の設計者ではないですから。


 北村が思うに、世界がそれなりに演繹されるような動作をしめすかどうか?、それには
世界を実際に観測しないといけない。そしてまた演繹ウンヌンの前に、私達が考慮すべき仮定のすべてを
ちゃんと観測したのかどうなのか?。それを知るには観測したり実験せんといかんでしょうね。

 まあ、すくなくとも北村はプラトンなんぞになりたくないですので^^)
[2003/05/05 19:58:29]

お名前: 北村@   
 ついでにいいますと・・・・、エネルギー保存の法則がまるで破れているかのような
現象が見つかった。この場合、幾つかの仮説が考えられて、

 1:そこではエネルギー保存の法則にあてはまらない事柄が起こっている

 2:エネルギーは保存されているのだが、それが一見すると観測できない

 でもって色々調べたら2が正しい(というべきか?)、そしてニュートリノが見つかる。

 この場合、エネルギー保存の法則は結局破れていなかったのだけれども、
もし、単純に演繹するだけで観測しなかったらニュートリノは見つからなかったのではないでしょうか?。

 そしてまた、エネルギー保存の法則、私達の数多くの観測では現象の前と後で、全体の
エネルギーの量は一定である、ように見える。この結論はたくさんの観測から導き出された
仮説でもある。

 しかしながら、この仮説があてはまらない世界が、あるいは領域がこの世界のどこかにあるかもしれない。
エネルギー保存の法則は正しい、という人がいますけど、そういう物言いは科学として
はどうでしょうか?。むしろ、

 エネルギー保存の法則は非常に確からしい仮説である

 と言った方が、より科学らしいのではないですかな^^)


 100万の異なる領域で観測した結果から導き出した仮説がさらにまったく別の領域で通用するか?。
 それは保証されていないんでしょう。これまでの100万の領域での観測がたとえ正確だったとしても、
導き出した仮説が他の領域で通用するかどうかは確認しないといけない。

 事実、この世界では我々の予想もつかないことが起こりうる。100万、1億の世界で
通用したとて、それがさらに別の領域で通用するかは観測するか実験するかしないと・・・。

 通用すると仮定して演繹することもするだろうけど、その結論が正しいのかは観測するなり
実験するなりして確かめませんとね、どーにもならないんじゃないでしょうか?。
[2003/05/05 22:18:00]

お名前: 北村@   
 ちょっと長くなったので続きはまた下の方で・・・・・^^)
[2003/05/06 20:19:10]

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