上の書き込み、カルポイドなどでも話題にしていましたが、『脊椎動物の起源 培風館』
をようやく読み終えました。
とはいえ、詳しい解説などできるはずもなく・・・、とはいえ、感想をいうと
ジェフリーズのカルシコルダータ説は大変なものです。いやはや、よもやミトラータの
ラギノシクティスが現生のナメクジウオの姉妹グループにされていたとは!!。( pp284 )
ジェフリーズの仮説をもっと調べてみないと(^^)。また、ピーターソンの反論
( pp288~294 )にも興味深いものがあると感じました。特にジェフリーズの形態学的な
解釈に基づいてカルシコルダータと現生動物を共に分岐学で解析すると、カルシコルダータが
棘皮動物や腸鰓類や翼鰓類、ホウキムシ類の、それぞれの側系統か姉妹グループになることが
示されているのは面白いと思いました。
つまりカルシコルダータがまとまったグループに見える一方で、他の動物との類縁が
どうもはっきりしないということのように思えます。
一方、本の著者の H.Gee 氏はカルシコルダータや脊索動物が大幅な進化をしてきたので
分岐学の基本原理である最節約では扱い切れないのではないかと考えているように、見えました。
北村の誤解かもしれないので、もう一度読み返してみないといけません。
なお、 H.Gee 氏の幹グループという言葉の使い方は、側系統を認めると言うより、
むしろ便利な言葉として使っているように思えました。たとえば”古典的な意味での恐竜”
あるいは”古典的な意味での(要するにテトラポードは含まない)魚”という言葉を便利
だから使う、という立場のように思えました。ただ、良く読み込んでみないとなんとも
いえないです・・・・。一番いいのは本人に聞くことなんでしょうね。
[2001/05/28 07:23:07]