さて、この書き込みは”追伸の補足:ドローの法則??”の続きです。あちらでの
たけむらさんの書き込みとメールからの返信もかねてます。
たけむらさん>サイン法、おお、そうでした。サインというのはレトロポゾンと
まあ同じです。ようするに遺伝子の中で独自にコピーを増やし、侵入してしまう
短い配列のことですね。
クジラとカバの話のところで書いた、まったく同じ場所から切り出されない/逆転が
ない、というのがこれのことですね。
ようするに、DNA上のある場所、つまり
0状態:AAAAAAAAAAAA123456789AAAAAAAAAAA
に、
レトロポゾン(サイン:SINE)のコピーが侵入した場合、
1状態:AAAAAAAAAAAA1234 SINE 56789AAAAAAAAAAAAAA
となります。
でもって、遺伝子の一部が失われて、それによってSINEがともになくなる、そういうことは
ありうる。しかしその場合、
2状態:AAAAAA 789AAAAAAAAAAAA ←AAAと123456が抜けている。
という具合に、たいていの場合、確率的に前後も削れてしまう。つまりちょうどSINEの部分だけたまたま偶然
なにかの拍子に失われる、なんてことがあるのか?、ってことですよね。もちろん、
そんなことは多分ない。確率的にいってほとんどありえない。
つまり、SINE/レトロポゾンが消滅するということはあるかもしれないが、それは
以前の状態に先祖帰りするのとはわけが違う。=逆転がない、というわけですね。
つまり、
0→1→0ということは起きない。必ず状態は0→1→2となる。0と2の状態はそれぞれ
区別がつく。
ドローの法則というと、一度失われたものは2度と出現しない、つまりイメージとしては
”1→0→1はあり得ない!!”
と言っているように聞こえるから、サインやレトロポゾンの例え話には違和感があるかもしれません。
逆ですからね^^)
ですが、”もとの状態に復帰しない”という点では一緒です。
レトロポゾンは”SINEの侵入がなかったもとの状態に戻ること=逆転”がほとんどありえない
という希有な例です。
[2002/10/29 01:35:45]