イーゼル

 街の外は僕らには気圧が高すぎて蒸し暑い。スモッグに覆われた赤い空からは霧雨が絶えまなくふり続け。外壁にはバクテリアがヌルヌルしたマットをつくっている。

 僕の今の仕事は街の外壁についたバクテリアマットをかき落とすことだ。今日、仕事をしていたらイーゼルと出会った。遊離した酸素がほとんどないこんな環境で生きていける知的生物なんて他にいない。イーゼルはじっと立ったままで動かない。わずかに硫酸を含んだ雨に身をさらしたまま動かない。それで呼吸しているはずなのだが、まるで動かない。

 本当に知性があるんだろうか?。

 話しかけてみた。返事は期待していなかったのだけど、帰り際、「さいわいない」とだけ答えてくれた。

 

 備考:

 ギャラクシーのイラスト3枚目。いつものように描いたらなんかアニメちっくな絵に・・・^^;)なぜに????。画像は圧縮かけたら線が出てるし。まあ、こういったことは今後の課題。

 さて、今回からは狂言まわしなキャラを使って、へたれで地獄な銀河帝国をご案内していく予定^^)。キャラのモデルは昔、北村がバイトで一緒になった人。このバイト、北村から見てさえ非力で役立たずなおっさんたちとバックレ野郎が大集合。そんな中、彼は場違いに若くて、ととのった顔、不器用ながら誠実な仕事をしておりました^^)。その彼がモデル。

 彼の名前は聞かなかったけど、彼の外見を拝借、そして名前はユージくんに決定。ちなみにこの名前は北村の知り合いの名前。かくして銀河帝国のフリーター、ユージくんの誕生です。

 それにしてもユージくんがもっているデッキブラシ、着ているカッパ、どちらもまるで石油製品みたいな色ですね。そうしないとカッパやデッキブラシの雰囲気がでないからなんですけど・・・。昔の人は生物由来、現在の私達は生物+石油由来の素材を使っていますが、未来はどんなものを使っているのやら。たぶん、この世界でありふれた何かを使っているのでしょう。

 ユージくんが「これ何?」と思っているイーゼルは硫酸呼吸する知的生物(らしい)。分化した呼吸器官はもたず、立つと3メートルあるのに、体重は10キロいきません。硫酸呼吸について知りたい人は、「生命の星・エウロパ」 長沼毅 2004 NHKブックス を参考にしてください。

 北村のサイトにおける地下バクテリアの記事も参考のこと。

 さて、ユージくんがいる時代は20万年後、場所は地球から200光年くらい離れた帝国の惑星。とはいえ、別に人類の帝国が順調に拡大したわけでなくて、彼の祖先がたまたまここに流れ着いた、というのが現実。よくSFであるような光速を越えて星と星とを駆ける文明があると考えるのは非現実的(<そんなテクノロジーがあるのなら地球にとっくに来ているよねえ、何かが)。

 この帝国にはワープなんて技術ありません。

 それにしても、そもそも生まれた惑星を捨てて宇宙にいこうなんて発想が理解できない。だって、宇宙にはなーんにもないんだから(あっても距離がありすぎ。おまけにいくべき場所わからん)。ある人もいいましたが、故郷を捨てたってのは大バクチを打ったか、さもなければ敗北して逃げたかいずれかでしょう。そしてバクチを打つにしても逃げたにしてもその大部分、99.99...%は死んでしまうという寸法。

 でもわずかな子孫はどっか好適な環境にたまたま流れ着いて、さらに運がよければ繁栄できるかもしれない。小笠原諸島にカタツムリがいたり、ハワイ諸島に独特な昆虫がいたり、タンポポがいっぱい綿毛を飛ばすのと同じ理屈です。

 人間、20万年もたったらそれこそ別種になっているやもしれないんだけど、別種の人間なんてまともに想像できないので、まあユージくんの見た目は人間のまま。

 ユージくんのいる惑星は1億年くらい前までは地球のような星であったという設定。でも地球みたいな星に知的生物が1億年もすんでいたら環境めちゃめちゃになっちゃいますよねえ?。何度も戦争があっただろうし。この惑星には1億年の間に自然条件では考えられないほど多くのクレーターができちゃっております^^)。

 そういうのもおいおい描く予定。ちなみに帝国における人類の人口は10億人未満。

 

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