君津市のクジラ化石:タフォノミー
千葉県 君津市で見つかったクジラ化石のイラスト。というかタフォノミーのイラストですね。タフォノミー(Taphonomy:タホノミー)というのは生物が死んで、化石になるまでの過程を調べる学問のこと。このイラストはクジラが死んで海底に沈み、腐敗して骨になっていく途中の様子を描いていて、クジラの死体にワタリガニの仲間が群がっています。
化石が発見された地層の年代は70万年前。水深は50〜120メートルで、結構速い流れがあったらしいことが分かっています。クジラの骨格はかなりまとまっていて、死後、それほどばらばらにはならなかった模様。死体の近くからは軽石が幾つか見つかっており、貝殻の化石(画面左下)、さらにカニのハサミも見つかりました。そこでこのような場面が描かれました。
この化石は現在、千葉県立中央博物館の地学展示室に展示されています。北村のイラストもちっこいけど解説のために展示中。なおこのクジラの下顎の片方は、発掘された時点ではぜて裂けていました。この場面は下顎が腐ってはぜて割れてしまう前の状況です。下顎の長さは3メートルくらいでザトウクジラの仲間だそうな。