譫妄 困った症状 困った症状
夜中に暴れたり、大声で叫んだり、失禁も起きたり、自分の家が
わからなくなり異常に興奮することもあります。
譫妄は痴呆ではなく、脳の機能が低下すると起きやすく、痴呆が
あると起き確率も高くなります。
対処方法 対処方法
電気をつけて明るくしたり、冷たいタオルで顔を拭いたりして目を
覚まさせると効果があります。
大きな物音や明るすぎは逆効果です。安心できる雰囲気をつくっ
てあげてください。
話をきていあげることもたいせつです。そのうちに眠くなり、その場
に寝てしまいます。
譫妄は痴呆そのものではないので、治ること十分にあります。
  治療方法 治療方法
一つは薬による治療です。
脳の働きを高める「脳代謝改善薬」や幻覚や興奮を改善する
「向精神薬」がよく使われます。
薬があうと譫妄はすっかりなくなることもあります。
我が家では 我が家では
アルツハイマー病と診断されて退院後すぐに起きました。
最初は対処の方法がわからず、毎晩イライラしていました。
担当の先生が留学中別の先生に動きがトロイのでと相談すると、
代謝改善の薬を増やされたのですが今度は幻覚が激しくなり
大変困りました。
帰国後前の先生に担当が戻り再度相談すると、動きなどは劣る
けど目先にとらわれず弱い薬を使い続けることが一番だと話された。
活動はいっきにゆるくなったが、幻覚をみることはなくなった。
妄想 困った症状 困った症状
お年寄りがありえないことを、そうに違いないといいはることがしば
しばあります。その中で最も多いのが盗難妄想です。
「置いていたお金がなくなった」と騒いだりすることですね。特にすぐ
そばで介護している人を疑います。
また「ごはんを食べさせてくれない」「今食べたのにすぐ食べたがる」
このこともそうです。
対処方法 対処方法
一緒に探してあげたりしているうちに、何をさがしていたのか忘れて
しまいます。
攻撃的な態度が続くようであれば、しばらくそばから離れていましょう。
我が家でも 我が家でも
やはり起こりました。ターゲットは娘である私でした。父はまだ病気
のことが理解できず、母の言うことを信じていました。私ではないの
に・・・
第三者を入れず、常に父と起こった出来事を話すようにしました。
話が廻らないようにすることが一番です。
徘徊 困った症状 困った症状
介護するうえで一番困った行動の一つです。
なぜか夕方になると落ち着きがなくなることが多く、徘徊もこの時間
帯によく起こります。心を推測してみると、本人なりの目的があって
出かけています。
また自宅にいるのに、「家に帰る」と言うこともあり、なぜ出かけたの
かわからないこともあります。
対処方法 対処方法
出来れば一緒に散歩のつもりで出かけましょう。
出られない時は、気持ちをそらすようにしましょう。
我が家では 我が家では
お昼間でした。父と私が仕事に出かけている間にタクシーに乗って
よく父の会社に出かけていました、しかもお財布を持たずに。
そこで父と私が交代で母のそばにいることにしました。
でも気がつくと鍵を開けて出てしまった。車に乗って探し回りました。
ミラーで見つけても勘違いして反対方向を探していたり疲れました。
結局手がまったく利かなくなり戸を開けることができなくなったので
徘徊は終わりました。
痴呆が起きた時 第一段階 第一段階
自分の親が痴呆であると診断された時、まず「否認」してしまいます。
認めたくないのです。
特に夫や息子は認めたがらないです。
我が家では 我が家では
急に全身痙攣後意識不明になり、目ざめたときに記憶がなくな
っていた。
「100引く7」「総理大臣は」先生の検査の意味がわからなかった。
母の記憶は私が小学校のときのままだった。
父と弟は、意識が戻ったことだけを喜んでいた。
第二段階 第二段階
この時期は混乱期です。
一生懸命しているのに、何故理解してくれないのと訴えるころで
すね。
これは「助けて」というサインなのですが、混乱期の家族はゆとり
がなく対応に苦しんで疲れてしまうのです。
我が家では 我が家では
考えるゆとりはまったくありませんでした。
一日一日があっという間に過ぎ、母の気持ちを少しも理解しょうと
しませんでした。
口が利けなくなって9年がたった今も後悔することは、あの時もっと
母と話しておけばよかった。自分ではなく母のことをもっと・・・
第三段階 第三段階
全てを受け入れようとする頃です。
介護する側に心のゆとりがでてくるころです。
お互いに分かり合えるようになり、少しはうまく対処できるように
なります。
我が家では 我が家では
どうにか父との二人三脚が動き出し、決して病気になった母が
悪いのではないと思えるようになってきていました。
好きでなったのではないのだからと、前向きに考えるようなって
いきました。
食べる力とは レベル1 かむ力や消化力が低下し始める状態をいいます。
ほとんどは家族と同じものが食べられますが、豚肉ならロースより
ヒレ肉のようにし脂身を除いた食べ物が最適です。普通の成人の
方にも適用します。大きさも小さくし、野菜もやわらかくゆでます。
病院では普通食です。
レベル2 かむ力がかなり衰えた状態です。
十分に噛まないで飲み込んでしまい、消化不良を起こしてしまいます。
肉や野菜は縦横に小さく刻んで食器に入れます。
ご飯も噛みにくいので、おかゆやお茶かけでたべたほうが安心です。
目で食べることも必要なので、お皿の盛り付けには心がけたいです。
病院での刻み食とはこの状態のことです。
レベル3 飲み込む力(嚥下力)が低下し、いくら噛んでも口の中に残ってしまい、
いつまでも飲み込めない状態です。
全ての食べものをそれぞれミキサーにかけます。この時は、おかゆも
ミキサーにかけて食べます。
病院でもミキサー食があり、一皿一皿別々に盛り付けています。
レベル4 飲み込む力がないだけでなく、食べ物が直接気管に入り込む状態です。
食べ物よりも怖いのは水、つまり水分です。注意をしないと誤嚥性肺炎
を起こします。
水分を摂取するには「トロミアップ」などの食物繊維でできている粉を
直接入れ混ぜます。しばらくするとゼリー状になります。
栄養のとり方 必要なもの たんぱく質、ビタミン、ミネラルなどの栄養は今までどおりに必要です。
老化を遅らせるには、動物性たんぱく質と植物性たんぱく質を1対1の
割合でとることです。
動物性たんぱく質は、肉より魚の割合を多くすると、不飽和脂肪酸が
とりやすく、高血圧や高脂血症などの生活習慣病の予防や改善に効果
的です。
脂質の酸化を防ぐカロチン、ビタミンCやEの豊富な緑黄色野菜をしっかり
とります。
また骨粗鬆症の予防にはカルシウムの含まれる牛乳などが最適です。
食べにくい食品 かまぼこ、いか、たこ、あわび、こんにゃく、魚の干物、れんこん
りんご、梨、えび、たけのこ、柿など
☆ミキサーやすりつぶしたり、軟らかく煮ると食べられます。
のどを通りにくい食品 高野どうふ、もち、麺類、カステラなど
☆小さく切ったり汁けをたっぷりすれば食べやすくなります。
はりつく食品 わかめ、のり、野菜ではほうれん草などものどにはりついて食べにくい
食品です。
短く切るか他のものと一緒に食べるとよいかもしれませす。
市販品 最近ではスーパーや薬局でも売られている、レトルト食品やキザミ食も
利用するのもひとつの手かもしれません。
嚥下が悪くなってからは私は冬など土鍋にごはんといろいろな野菜を入れ、
卵を溶かしておじや風にしたものを食べさせていました。
早期発見 熱は?
体温には個人差があります、普段より体温を記録し平熱を
知っておくことがたいせつです。
私は毎日記録出来るように表を作って、看護婦さんやヘルパー
さんにも記入していただきます。
呼吸は正常 呼吸数、速さ、間隔、苦しくないかを確認します。
私は座っていてもときどき胸にかけてある布団をじっと
見つめて、呼吸の状態や息をしているかを確認しています。
睡眠 普段からよく眠れているかチェックします。
排泄と尿量 排泄の回数、量、かたさ、尿の量を記録する。
血便のこともあるので、色にも注意をする。
また脱水を起こしやすいので、尿量にも気配りを。
排泄は (正) と書いて回数を表し、量は (多、中、少) と
かたさは (普通、軟、下痢) とそして時間も記入します。
毎日の生活パターンを知ることも管理する上で大切です。
体重 体重を量り急激に減っていないか注意する。
体重が減ると体力が無くなり、風邪などにかかっても治り
にくくなるので食事にも気をつけましょう。
私は母の入院中出された1、000KCalの食事を全て食べ
させ、「もう」と言っても体力がつくからがんばってと言って
励ましました。
意識 応答がはっきりしているか。
言葉がもつれたりしていないか。
皮膚の状態 皮膚に発疹、むくみはないか、乾燥していないか注意する。
おかしい?
言動や行動がおかしくないか。
性格が急に変わったり、もの忘れが激しくなっていないか。
年齢からもありますが、おかしいときは病院で調べてもらい
ましょう。
痛み どこかに痛みはありませんか。
痛みを訴えるときは頭痛、腹痛、胸痛、骨折を確認しましょう。
知らず知らずのうちに骨折していることもあります。
よく話を聞いてあげましょう。そして病院に連れて行ってあげて
ください。
麻痺 手足に麻痺、しびれはありませんか。
歩き方が変ではありませんか。
私の母も最初は、手のしびれでそのころかかっていた病院では
末梢神経症と診断されて治療を受けていました。
ほんとはアルツハイマー病の始まりだったのに。
お年寄りは 脱水に注意 体の細胞内の水分は年を取ると減ってしまいます。
お年寄りはその為、発熱、下痢、嘔吐などの原因で簡単に脱水
状態になります。老化すると喉の渇きの感覚も鈍くなるので、病気
で意識障害があると脱水をいっそう起こしやすくなります。
脱水は生命を脅かすほど危険なものです。
体の水分量が少なくなると、血液が濃くなり、かたまりやすくなる
ので、心筋梗塞や脳梗塞を起こしやすくなります。
   「ぼんやりして元気がない」
   「目がうつろ」
   「舌や皮膚の乾燥」
   「応答がはっきりしない」
夏場以外にも脱水を疑うことも必要です。
母は嚥下が悪くなってから、どうしたら水分を十分取れるかが
一番の問題でした。トロミアップを使用したりお薬を飲むときはゼリー
に混ぜたりして水分を確保していました。またご飯は野菜を入れて
卵を溶いておじや風のものを食べさせていました。
とても感じやすい お年寄りは、とてもかんじやすい心の持ち主です。
心の通い合ったお世話ができるように気を配りましょう。
  「会話の時間を秋分に」
     家事をしながらでも話かけるように。
     同じ話を何度も繰り返す場合でも、怒らずに根気よく
     聞いてあげましょう。
 
  「認めてあげる」
     生活習慣には大きな違いがあります、お年寄りを無
     理に変えようとせず、あわせることも必要です。

  「プライド」
     物忘れ、ボケ、おもらしなどの自尊心を傷つける言葉
     は禁止。
     お年寄りの羞恥心を大切にしてあげるように。

  「ひと声」
     体位交換、着替え、食事など、なにをするときでも必

     ず声をかけ、予告してから行います。
     母の場合急に動かすと、全身に痙攣が起こります。
     名前を呼んで大丈夫と声をかけながら両手で抑える。

  「ペース」
     食事や着替え、リハビリなど、お年寄りがどんなに
     スローであっても、イライラしてせかせたり手を出し
     たりせず見守れる心のゆとりを持つこともまた必要。

  「スキンシップ」
     体のどこかに触れながら話したり、歩く時にそっと手
     を添えるスキンシップも心の温かみを伝えることです。

  「期待せず」
     感謝の気持ちを伝えることはむずかしいものです、期
     待せずにお世話を続けていくうちに通じ合うものです。

介護する人 心得 長い介護の間には、嫌になることや、逃げたくなるようなことが
何度もあります。
でも介護されるお年寄りはそれ以上に不安、淋しさ、体の不自
由さ、してもらうことの辛さなどを考えてみてください。
お年寄りの心を理解しいたわりながら、前向きに接しましょう。
お医者さま すぐに来てくれて、何でも相談できるかかりつけのお医者
さまを決めておきましょう。
分担 家族全員で、家事や介護の分担を決めましょう。
お嫁さんや娘また未婚者と決め付けずできることから皆で
分担しましょう。
  我が家では、長男は大学から県外で就職後はほとんど
  帰省せず、介護には振り向くことはなかった。
  その後気持ちは伝わらないので無視することにした。
  だが10年後お嫁さんの実家で自分自身に振りかりった
  ことで気づくようになる。
  
手抜き 全てをこなす事は無理、どこかで手抜きをすることをお勧めし
ます。それが長続きのこつです。
食事、掃除、洗濯などの家事全般と介護の両立をする為に。
  母が病気になってから、我が家では毎週一回外食をし
  ます。
  偏食の多い家族を持つ私に取って、唯一私の悩まない
  食事の時間だから。
十分に バランスの良い食事をきちんと食べ、睡眠を十分にとることが
必要です。
定期検診 介護は長期戦です。
介護する人は定期検診を受け具合の悪い時はすぐに受診を。
気分転換 趣味、おしゃべり、買い物、旅行など気分転換を。
自分とってなにが気分転換になるのか早く見つけることは
大切です。
悩み 決してひとりでは悩まないで。
   情報交換の場を見つける
   相談機関に問い合わせる
   公的なサービスを利用する
   地域のボランティア活動に援助を求める
   介護用品展示場に足を運ぶ
休養 疲れたと思ったら休養を取る。
   お年寄りをしばらく施設に預けたり、ショートステイを利用
その前に まず お年寄りの転倒・転落は、骨折や寝たきりに直結です。
   敷居につまずく
   電気コードにひっかかる
   敷物などにつまずく
   お風呂場で足をすべらせる
   階段を踏みはずす
   寄りかかったものが倒れる
   トイレなどで転倒・転落
   物を取ろうとして台から転落

家庭内で起こる事故原因を前もって知ることが大切です。
介護する人が注意することが、未然に防げることです。


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