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 彼と一緒にベッドにいる時間の話なのだが、私は2人して我を忘れて息を乱しているような瞬間よりは、ちょっとしたタイミングのずれで少々間抜けな事になり、思わず目が合ってしまったりする時のほうが楽しいと思う。
 そして2人で抱き合って眠るときより(そう、ごくまれにそういう事もないではない)余りの寝苦しさに鼻の頭に汗を浮かべて、軽いいびきをかいているシリウスの寝顔をぼんやりと眺めている方が好きだ。
 シリウスにそう言ったら、彼は「お前とは趣味が合わない」と返事をした。
 しかしながら人間という生物は趣味の合わない相手と寝る運命にある生物なのだそうだ。それならば何も問題はないわけで、誠に結構なことだと思う。

 だというのに何故シリウスはブリキでも噛んだような顔で私を見ているのだろう。





どうしてだろうね……先生。
昔のボエはこんな長さだったので
ちょっと懐かしい感じです。
最近のボエはどうも長くていかん。
2005/01/30

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