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 シリウスが毎回熱心に見ている動物特集のプログラムと、ルーピンが昔から好きだった曲の演奏会が同時に放映されることになった。お気に入りの番組を並んで見られる、と朝から楽しみにしていた2人だったが、いざスイッチを入れてみると、テレビというものは違う番組を同時には映せない仕組みになっているということが分かり彼等は愕然とした。
 今回特集で取り扱われる動物は聞いたこともないような名前をしていて、シリウスがしばらく前からその姿について色々と想像をめぐらせていたのを知っているルーピンはあっさりとテレビを彼に譲ろうとした。
 しかし、ルーピンが少年の頃からその曲を好んでいた事を知っているシリウスは確固たる態度で友人にテレビを譲ろうとした。
 2人はとても困った末、取り敢えずはスイッチを切った。
 そしてテレビの消えた静かな居間で珈琲を淹れて、どちらともなく今日放映された筈の動物の話を始めた。それはきっとアフリカの高山に生息している気がするとシリウスは言った。単体ではなく群れで生活しているんだろうねとルーピンが返事をする。大胆な想像図を2人で作製し、鳴き声も見当をつけた。
 それからルーピンの好きな曲を、原曲通りのイタリア語でシリウスが歌った。ルーピンは彼の暗唱にひどく驚いてしばらく笑っていた。シリウスはアンコールの後で得意そうにお辞儀をした。
 予定通り楽しい夜が過ごせたので、2人はいつものように挨拶を交わし眠りについた。



この原始人2人にビデオという文明の利器を教えてやれハリー。
それから君等は復讐とかやめてムーミン谷へでも行け。
2003/03/13



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