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 頬に触れて顔を近づけると、礼儀として当然ながらシリウスは目を伏せる。それはもうぱちりと音のしそうな風情で。化粧に血道を上げている若い娘さん達にしてみればきっと噴飯ものに違いない長く完璧な睫毛と薄い瞼の効果だ。こういう風に瞼を閉じる仕掛け人形を見たことがあるな、等と余計な事を思い出して私の動作は止まってしまう。例え何をしている最中であっても気を惹かれた仕草を繰り返し見てみたいと思うのは私の悪い癖だと自覚はしている。
 ゆるりとシリウスの目が開かれ、彼は不思議そうに首を傾ける。私は曖昧に笑って彼に口付ける。再び目を閉じる彼の様子をじっと見守りながら。さすがにもう一度同じ事を繰り返しはしない。
 3度目はシリウスにこっぴどく叱られてしまうのを知っているからである。



そうですか、知っているのですか先生。
(誰か私の代わりにツッコんでください)
2003/03/13



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