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 人間が他人と会話するとき、そこには人格や資質があらわれる。

 シリウスは非常に頭のよい人だった。なので相手の話を齟齬なく理解し、疑問点や関連話題をすべて瞬時に頭の中で整理することが出来た。そしてテーマを改良改変して発展させるのも上手だった。
 彼はおそるべき演算能力で情報を処理し、速さにおいて大抵の相手を圧倒した。彼が頭の中でたどった筋道の見えない人々は、めまぐるしく変化する主題や圧倒的な知識にただただ驚き聞き入るばかりだった。彼と話すとき人は知的好奇心を満たされ、心から楽しむことが出来た。
 
 ルーピンは本人の人柄に負うところが大きいのであろうが、人の話を聞いた場合、それが何であれ一旦は全肯定した。そしてよく驚き、よく感心し、よく笑った。大抵の場合、彼は相手の話を自分なりのやり方で理解するまで、色々な質問をする。その質問は時折相手にショックを与えるような独創的なもので、質問された人間は思わず吹き出してしまい、真面目に返事を待つルーピンに対して謝らなければならなかった。
 しかしどんな場合でも人の話を聞く時の彼は、いつも非常に楽しそうに見えた。彼と話すとき人は何故か幸せな気分になり、話す前より彼のことが好きになるのだった。




お話したら楽しそうな架空の人物っていいですよね。
シリウスとも先生とも喋ってみたいです。
ただちょっとシリウスは、お話している時間は楽しいけど
後になったらぐったりしそう。
(こっちの頭に負担がかかって)

2006.06.20

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