映画アズカバン感想

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先生が…………鳥獣戯画だよ?

手足長いよ?毛が少ないよ?オオカミじゃないよ?
それからオオカミになろうとしている先生を抱きしめて
止めようとしていた囚人がいましたね。
「肉体はただの肉体で、君の本質は魂に云々……」(ウロ)
とか言っていましたが、あれは要約すると
根性で何とかしろリーマスということなのでしょうか。
「相変わらず、君は慌てると寝言しか言わないねえ」
と薄れゆく意識で先生は、思ったり思わなかったりしそうです。

ところで兄弟ハグのシーンですが、
抱擁の勢いでクルミでも割るつもりか?と思いました。
ていうか、あの人達は12年間で1秒も相手を疑ったことなど
なかったですね。ええ。
牢獄にいる間も、こまめに文通していたっぽいです。

ルーピン先生に関してコメントしますと
どうしてあんなにセクシー・ムッシューなのか!?
という1言に尽きます。
Jのジョンは、まじでジョン・ワトソンのJなのか?
と思いました(冗談だったのに……)
冗談抜きでローリング女史の先生のイメージは
「ワトソンでお願いね!!」
だったのでしょうか。在り得るので怖いです。
(ワトソン、大好きですけれど!)
あの先生は、暖炉の横でシルクのガウン着て葉巻をふかして
ブランデーを飲んでいそうです。

シリウスさんは……ええと、最初から最後まで浮浪者みたいでした。
ハンサムな写真も1枚くらい見たかったです。
あとは、受でした。映画を見てポタに転ぶ人は
全員ルシリの方でしょう。別に全然オッケーですが。
口からついうっかり魂が出ちゃって、その小ささに涙しました。
肝が小さいなあ……。ハリーの魂は直径が5mくらいあって、
きっと大きすぎて口から出なかったのでしょう。

ゲイリーさんは、息子さんの学校で
「お前の父さん、シリウス・ブラックなんだって?!」
と、一躍ヒーローになったそうですが、
私の頭に浮かんだのは
「やーい、お前の父ちゃんシリウス・ブラックー」
と石もて追われる子供の姿でした。
どうしてだろう。シリウスさんはあんなに格好いいのに。

それから、全体的にあの映画は
『ハーマイオニー最強番長伝説』
というタイトルにしても良かった感じです。
なぜなら、ロンやハリーがいなくても
実はハーマイオニー1人いれば、全部事件は解決しているからです。
暴れ柳のシーンでは、一体彼女は何キロの負荷を右腕一本で
支えて、ロングシュートを決めたのかがとても気になります。
あの腕で本気で撲ったら、ドラコの顔などトマト祭りでしたでしょうから
彼女はきっと手加減をしたのです。
(ドラコはもはや何がしたいのか分からない人でした。
焼いた餅のように微妙に造形が崩れていませんでしたか彼の顔)

監督は非常に美的センスに優れた方で、「1カットといえど
おろそかな絵や構図は映さない!」というガッツを感じました。
動く絵や、幽霊などの素材の表現方法が、グレードアップしていた
ように思います。
しかし「感情の変化を表す表情のコマを入れてくれ!!」
というところが多くあり、御自身が感情の推移の早い方なのかな?
と思いました。でもクィディッチ関係をばっさり切り落とした事に
関しては勇者の称号を送りたいと思います。
ラストをファイアボルトで〆てあって、驚かれた方がいらっしゃるかもしれませんが、
ハリポタ自体が前面に物欲と金銭欲が出ている物語なので
正解ではないかと思います。

ともかくやたらめったら切り落とされたので
思いついたものを並べてみますと、
・エジプト旅行の記事を見てシリウスは脱獄した。
・シリウスは衆人環視の中マグル大量爆殺。
・ハリーの父親もアニメーガスでありその姿は鹿である。
・先生の為に3人はアニメーガスを習得した。
・てか、4人は仲間であり、忍びの地図を作った。
・秘密の守り人制度でシリウスは大失敗した。
・クルックシャンクスは鼠の正体を見破った、
・それが原因でロンとハーマイオニーは喧嘩した。
・暴れ柳は先生の為に植えられた。
・叫びの屋敷は先生が叫んでいたからその名がついた。
・先生はスネイプ先生の作った薬を飲まないといけない。
・スネイプ先生は昔ルーピン先生に殺されかけた。
・ところをジェームズに助けられた。
・ルーピン先生の病気を言い触らしたのはスネイプ先生。

えーと、こんなものですか?
大昔に「3巻を2H以内の映画にするには、ルーピン先生とピーターの
役柄を混ぜて、1人の人物にするしかない(続編は作れないけど)」と言って
「お前は本当に先生のファンか!?」と大層友人に引かれた私ですが
その私ですら顎を落とす切りっぷりでした。

上映中、「3巻を読んでいない人が見たらどう思うだろう」
とずっとシミュレートしていましたが
大きなところは、「魔法使いは大人になったら全員動物に変身できるんだー」
と勘違いしてしまう点でしょうね。(1thの設定なんて覚えてないでしょう)
で、シリウスが黒犬に変身するのは皆知っている(はずな)のに、
どうして犬対策を講じないのか、きっと不思議に思いますね。
で、真実が露見した後、なんだってこの囚人は逮捕されたとき
弁明をしなかったのか(冤罪というのも憚られる捜査ミス)。
どうして今まで逃げなかったのか、そしてどうして突然逃げたのか、
全然分からないだろうと思います。
先生に関しては
「なんでこんな危ないのが野放しになっているんだ?
施設に閉じ込めないの?」
と思うでしょうね。狼人間を差別するのは忌むべき旧習であるという
誘導がないせいです。

親世代のエピソードがなくなり、そしてシリウスのハリーに対する
アプローチがほとんどなくなってしまったので、
ハリーがシリウスをかばってスネイプ先生を攻撃する場面では
映画オンリーの多くの鑑賞者がハリーを理解できずに「ええー!!?」
と置いてけぼりをくらうことでしょう。
登場人物の心境の変化は、絶対に一定以上の時間を割かなければ
ならんのです。
それにしてもラストの叫びの屋敷は圧倒的に時間が足りなかった。
エンディングのスクロールスピードをもっと上げれば
1分は稼げたのではないでしょうか。(あの足跡、大きいのは
シリウスで、小さいのはハリーですね。(決め付け)
ジャンプするとき必ず両足をそろえて飛ぶのが可愛いです!)
その時間で、幸福な結婚式での4人の情景(動く写真)と、
先生を助ける為に、少年の頃3人はアニメーガスの術を習得した。
という説明台詞を入れる事が出来たのではなかったかと惜しまれます。

けど、あれだけ切りまくってほぼ何も残ってないのに
それでも2時間30分ってなんだろう……。

親世代のエピソードを切るべきだったのかそうでなかったのか
客観的に考えようとしてみたのですが、無理でした。
「やっぱりあれは残したほうが良かった」という結論になってしまいます。
私がシリル者でなくてもそう考えたかどうかは不明。

追 記

ディメンターは記憶というか 顔を吸っていた
友人C曰く
「ストッキングをかぶって上から引っ張ったら物真似が出来るね」
あまりにジャストミートな表現だったので言葉がなかった。
今年の忘年会の芸は決まりだ(いや嘘だ)。

スネイプ先生は例の台詞のあと
「あ!!我輩変なこと言っちゃった!!」
と内心慌てたのではないかと思います。
子供達3人はツッコミを入れたくて右手が上がったでしょうが、
大人達があまりにテンパっていて怖かったので
遠慮したのでしょう。子供ばかりが気を遣わされて
働かされて、可哀相な世界です。


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