デモンバスターズUltimate
−5−
闘神祐漸。
今より千数百年前、魔界の遥か東の果てより現れた魔神の名である。
当時、東の三魔神と呼ばれ恐れられていたシヴァ・阿修羅王・ガネーシャを倒したことでその名が魔界全土に知れ渡ることとなった彼は、さらに南方の地でオシリスと友好関係を結び、西方の地では西の三魔神の内二人ベリアルとアスモデウスを倒し、北方の地にてはロキとの交友があった。
その後も幾多の戦いに勝利し続けたが、千年前に忽然と姿を消した。
そしてその名は、伝説となり、今も真魔の血脈の間で語り継がれている。
伝説の魔神と、邪神ロキの名が並んでいれば、魔界全土に散らばる全ての魔神が注目して当然であった。
そして、二人の名が記された親書が、全ての真魔の血脈へと出されていたのだ。
「そういうわけだ」
「なるほどね・・・こうなった経緯はわかった」
オシリスから事の次第を聞いた祐一は、改めて周りを見回す。
城内で最も広い大講堂に数百人の魔神が集まっていた。
こんな状況は、誰も想定したことがないだろう。
末端の者達は隠そうとしても隠し切れないほど動揺しているのが見て取れた。
無理もないことだ。
魔神と一口に言っても上下の力関係はピンキリである。
最強と謳われる者と、下の有象無象との間には天と地ほどの開きがあった。
耳を澄ますと、下位の魔神達が囁きあっている声が聞こえた。
――あれが、あの闘神祐漸の転生か
――ああ、間違いない。俺は奴を直接見たことがある。姿形は違ってもあの魔力、闘気・・・同じものだ
――傍らには奴の片腕と言われたあの死と再生の魔神オシリスもいる、間違いあるまい
――あっちを見ろ、アシュタロス公だ・・・
――獣魔王ベリアルもいる。四魔聖も半分はまだ健在というわけか
――こっちには剣王アスモデウスもいるぞ。かつての西の三魔神が一堂に会するなど何百年振りだ?
――見ろ、阿修羅王だ。あの美しさに騙されるな・・・アスモデウスと並び称される剣豪だ
――まずい、暴君ガネーシャだ。目を合わせたら殺されるぞ・・・
――あの冥王ハデスの細身など、一撃で砕けそうなものを・・・
――よせ、奴に手を出してはいけない
――じ、地獄の番犬ケルベロスに睨まれた・・・。あの三つの首、会場のどこにいても見られている気がする
――おい、なんだあの小さいのは?
――新たな魔竜王と聞く。外見で判断すると痛い目を見るぞ
わかりやすいことに、力の強い者ほど会場の中心に集まっており、弱い者ほど隅にいる。
そしてそのため必然的に、皆の注目は中心の方へと向いていた。
そこに居並ぶのは、真魔の血脈の頂点、即ち魔界の覇権を争う最強の魔神達であった。
単体でも恐ろしい力を持つ者達がこのような形で集まるなど前代未聞の大事件なのだ。
下位の魔神達はただ、息を潜めて彼らの動向を遠目に見ている。
「・・・それにしても」
「どうした? 祐」
「こうやって一箇所に集まってるとかなりの数がいるように見えるが・・・・・・これだけか?」
「・・・・・・ああ、こんなものだろう」
ざっと数えて数百人・・・千人はいなかった。
ロキほどの男が全ての魔神に親書を送ったと言う以上洩れた者などいないはずであるから、あえて招待に応じなかった者がいない限り、ここにいるのが魔界に現存する真魔の血脈の全てであろう。
そして、上位の者が全員招待に応じている状況で参加を辞退するような勇気は、下位の者達にはあるまい。
仮にいたとしても数名、ほぼ欠員なく全魔神を集結させるなど、改めてロキの影響力を実感させられる。
それと同時に、祐一はその数の少なさに驚いていた。
「千年前はもう少しいたと思ったんだがな」
「新たに生まれる真魔の血脈は年々減っている。おまえとエリス・ヴェインを除けばこの二、三百年の間に新たに誕生した真魔はいない。そのおまえ達も混血・・・純粋な真魔はもういつから生まれていないか・・・」
「真魔の血脈も衰退する、か・・・まぁ、この世の理だな」
「ああ、そうだな」
会場のざわめきが大きくなり、ついで一気に静まり返った。
祐一とオシリスも、皆と同じ方へと視線を向けると、このパーティーの主催者ロキと、その子フェンリル、ミドガルズオルムが会場に現れたところであった。
一瞬ざわめいたのはロキが現れたためで、すぐに静まり返ったのはフェンリルの姿を見たからであろう。
親子でまったく違った存在感を醸し出すものであるが、共通しているのは、その存在が全ての魔神に対して影響力を持っているということだった。
フェンリルが会場の一角に陣取ると、ミド以外の全員がそこから距離を取る。
よく見るとミドも離れたそうな顔をしているが、少しでも動くとフェンリルが睨みつけるので離れられないようだ。
「災難だな、あの弟は」
「まったくです」
祐一の隣にいるイシスが呆れた視線をそっちに送っている。
皆の注目はさらに、壇上へと進み出たロキへと向けられた。
「みなさん、ようこそおいでくださった。今日は日頃のわだかまりを忘れて、心行くまで楽しんでいってもらいたい」
そう言われても、この状況で本気で楽しめるのはよほど豪胆な精神の持ち主か、何も考えていない馬鹿だけであろう。
実際、会場は静まり返ったままである。
その沈黙を破る者がいた。
「ぶはぁ〜!」
「おいロキ!」
「さすがいい酒だな、気に入ったぜ!」
三つ並べた樽に入った酒を浴びるように飲んでいたケルベロスである。
一匹で他の魔神の三倍、いや三乗騒がしいので、自然と皆の視線も集まる。
それに呼応するように、もう一人大きな声を出した。
「然り! これほど良い酒を大量に用意してるある場所など魔界広しと言えども他にあるまい!」
ガネーシャが杯を手にして立ち上がる。
象頭の魔神がぎろりと周りを睨むと、多くの者達が震え上がった。
最も獰猛にして最も残忍、彼の不興を買ったものは、必ず殺されるという、それが暴君ガネーシャである。
「どうした貴様ら? 滅多にない機会ぞ! 楽しまぬか!」
その言葉に、下位の魔神達は顔を引きつらせながらも杯を手に取る。
とても楽しめるような状況ではないが、ガネーシャにこう言われた以上、それに逆らうことは死を意味する。
それでもある程度力のある者や、さらに上位の魔神の庇護下にあるような者達は静観していたが、やがてアシュタロスやハデス辺りから順に上位魔神達がガネーシャの言葉に応じ出すと、全ての者が杯に手を伸ばした。
水面下にいつ弾けてもおかしくないほどの張り詰めたものを隠しつつ、パーティーは盛り上がり始めていた。
「・・・祐様、兄上・・・ちょっと心臓に悪いです・・・この空気」
「そうか? 俺はわりと心地いい。帰って来た気になる」
「あまり気にしないことだ」
皆ガネーシャや、他の上位魔神の顔色を窺いながら各所で歓談している。
表向きパーティーはつつがなく進んでいると言えるであろう。
「あ、ほんとだ。お酒おいしいね〜」
「さやか。おまえも来たのか」
「ちょっと様子見に、ね。ヘルちゃんいないし、すぐに戻るよ」
そう言ってさやかはエリスのいる方へ歩いていった。
パーティーが始まった時からずっと不機嫌な表情をしているエリスだったが、さやかはお構い無しにじゃれついている。
「「「ギャハハハハハハ!!!」」」
「ガーッハッハッハッハッハ!!」
ひたすら騒々しいのはケルベロスとガネーシャであった。
特にケルベロスはご機嫌で、周囲の魔神達を巻き込んで酌をさせている。
そしてガネーシャは声を張り上げて喋り続けている。
ずっとそれを聞き流していたのだが、ふと祐一達の気を引く名がその口から上がった。
「それにつけても良い気分だ! なんといってもあやつら、ルシファーとベルゼブルがおらんからな!!」
ルシファーとベルゼブル。
本来なら、皆と同じようにこの場に招かれていたであろう存在。
だが彼らは既に半年前に亡き者となっている。
手を下した祐一やさやかにとっては、忘れられない名であった。
「汚らわしい天使風情と、成り上がりの小物がこの数百年大きな顔をしおって! だがこれぞ因果応報、思いあがった愚者の末路と言うものよな! ガッハッハッハッハ!!」
高笑いをしつつ杯の酒を一気に煽るガネーシャ。
そこへ取り入ろうとする者が寄って来て酌をしながら相槌を打つ。
「仰るとおりでございますな〜」
「うむ! 魔界の頂点に立つのは我ら真魔の血脈に連なる者、それをあやつら如きがアシュタロス公やベリアル殿の威光を笠に四魔聖などと気取りおって。特に! 天使の小僧も気に食わんが、何よりけしからんのはベルゼブルの奴よ! あの醜い蠅めが威張り散らしおってからに!!」
ダンッ!
テーブルに拳が叩きつけられ、その音に集まっていた魔神達がすくみ上がる。
だが一瞬怒りを露にしたガネーシャはすぐに相好を崩す。
「だが、それもくたばってしまえば終わりよ。しかも聞けばあやつめ、人間如きに倒されたと言うではないか。思いあがっていた良い証拠よ。所詮は蠅の王、クズに相応しい末路だ! のうおまえ達?」
「いやまったく、ベルゼブルめ、まったくもってクズですな」
「その通りですとも。あのような蠅風情が」
話を振られた魔神達はしきりに頷き、相槌を打つ。
強者に取り入り、その下で怯えながら、上の者の機嫌をとりながら生きる。
こうしたところは、魔神も人間もあまり変わらない、そう祐一は感じていた。
ガネーシャは酔っているのもあるのか、囃し立てられて尚も調子に乗って喋っている。
「然り然り! あのようなクズが魔界の頂点になどいて良いはずがない。魔界は強者が支配する世界、そして強者とは我ら真魔のこと。弱者に覇権を握る資格などあろうものか。それをできるなどと思いあがっていたベルゼブル、あの蠅めが! 人間に殺された惨めな最期が実にお似合いだ。そもそも・・・」
そこで切ってまた杯を口に運ぶ。
ボォッ!
「グァハァッ!!?」
今まさに杯に口をつけようとした瞬間、中の酒に突然火がついてガネーシャの口と顔面を焼いた。
「ゲハッ・・・誰だぁ、こんな不埒な真似をする輩はぁっ!!?」
激怒したガネーシャは右手に持った杯を床に叩きつけ、左手で一番近くにいた魔神の頭を鷲掴みにした。
「貴様かぁ!?」
「ち、ちが・・・!」
答えるよりも先にその魔神の頭を握りつぶし、死体を投げ飛ばす。
「どやつだぁ!? 出て来いっ!!!」
その光景を見て、他の魔神達は一斉にその場から離れる。
睨みつけられた者達は必死の形相で首を左右に振っていた。
怒りのガネーシャに動じていないのは、まったく動かない上位魔神達と、皆が離れていく中一人だけガネーシャの方へ向かって歩くさやかだけであった。
「度数の高いお酒は燃えやすいから、火傷に気をつけた方がいいよ、象さん」
「なんだと・・・!?」
ガネーシャは血走らせた眼で半分くらいの背丈しかないさやかを見下ろす。
その前でさやかは左手の人差し指に小さな炎を灯して、それを右手に持った杯に向けてみせる。
すると、杯の中の酒に火が点き、それを見たガネーシャの眼がさらにカッと見開かれる。
「アルコールランプ。綺麗でしょ」
「き・さ・ま・か・・・小娘・・・! このガネーシャ様に向かって何をしたかわかっているのか!?」
「ちょっと遊んでたら手が滑ったんだよ」
「ふざけるなぁっ!!」
叫び声と共に放出された大魔力が会場全体を揺らした。
「人間だか精霊だかよくわからんような小娘が大それた真似をしおって!! なんだ貴様はっ!?」
「さっき、君が自分で紹介してくれてたよ」
「なに?」
「私が、蠅の王ベルゼブルを倒した人間だって言ってるの。理解できた、象さん?」
また別のざわめきが起こった。
一部の者達は、さやかの存在を少しばかり気にかけていたようだが、改めてその事実を聞かされてどよめいている。
「・・・それで、その人間風情が我に無礼を働いた理由はなんだ? 我は慈悲深い真魔だ、殺す前に申し開きくらいは聞いてやる」
「無礼? 無礼って何? 君がさっきまで喋ってた事の方が、よっぽど無礼なんじゃないの? 故人を貶めて楽しい?」
「なにぃ?」
「ベルゼブル君は、確かに道を誤った。愚者と呼ぶなら、それはその通りだと思うよ。でもね、彼をあんな風に追い込んだのは誰だと思う? それは君みたいなひとだよ」
激しく顔を歪ませるガネーシャに対し、さやかも鋭い眼でそれを睨み返していた。
今まで散々感じられていた水面下の緊張が、一気に表に出て引きしぼられているような、そんな空気が会場全体を包み込んでいる。
「そうやって、真魔だから、そうじゃないからって見下して、大きな顔をしてたのは君達でしょ。だから彼は、あんな風になるしかなかった」
さやかの糾弾は、一緒になってガネーシャを囃し立てていた周りの魔神達にも向けられていた。
むしろ、力があって言っているガネーシャ以上に、力もないのにただ真魔だから、そうじゃないからという理由でガネーシャの言葉に同意している者達の方が質が悪い。
「ぐぬ・・・人間風情がこのガネーシャ様に物申すとは・・・ふざけるなよ小娘!」
「ふざけてるのはどっちよっ!」
ガネーシャの怒声に対して、さやかも声を張り上げる。
自身の尊厳を傷つけられて怒っているガネーシャなどより遥かに、さやかの憤りは激しかった。
「彼は強かったよ。そんな風に君達に見下されても、一生懸命生きてた。だからあそこまでの力を持つことができたんだよ。第一君達は、言葉で力ある者が偉いみたいなことを言っておいて、彼に勝てたの?」
「ぐぬぬ・・・!!」
「彼は自分の力で、魔界のトップに立った。それを君達は言葉で資格がないだの、けしからんだの言っておいて、自分の力で彼をその立場から追い落とせたの? できなかったんでしょ! だったら君達の方がよほど弱者で、愚者だよ!」
どうしてそこまで憤っているのか、さやか自身にもはっきりとはわからなかった。
だが、その道を間違っていると自ら否定しながらも、その激しい生き様を眼に焼き付けたさやかは、それを見下す言動が許せなかった。
「蠅の王ベルゼブルは、自分の信念を貫いて強く生きた! 君達に、そんな彼をクズと呼ぶ資格なんてないっ!!」
手にした杯を床に叩きつけ、さやかは言い放った。
「小娘ぇぇぇっ!!!」
ドゴンッ!!!
ガネーシャの拳がすぐ傍のテーブルに叩きつけられる。
手加減無しの一撃はテーブルを粉々に砕き、下の床すらも砕いた。
「クズをクズと呼んで何が悪い!! あやつが強いだと!? 強いのは我ら真魔だ! あのような者ではないっ!! 奴がトップに立っていたように見えたのは、小賢しく立ち回り、強者を隠れ蓑にふんぞり返っていたからだ! 断じて奴が強かったからなどではない!! そうとも、あのような者が強いはずなどありえぬ! あの蠅が! クズが!」
「弱いひとほど良く吠えるって言うよね。本当は君、ベルゼブル君のことが怖かったんじゃないの!?」
「怖い・・・だと!? この我が! 誰もが暴君と呼び恐れ敬うこのガネーシャ様が!! あんなクズを怖いだとぉっ!!!!」
「怒ったの? それこそ図星を指された証拠でしょ」
「き・さ・まぁっ!! 愚弄するのも大概にしろ! そもそも貴様は何だ!? ここは崇高なる真魔の血脈が集う場所、貴様のような輩がいて良い場所ではないわっ! 人間風情がっ、そうか! 人間どももクズであったなっ、クズはクズ同士庇い合っているのがお似合いよ!!」
「ガネーシャ」
一触即発の二人の間に割って入ったのは、祐一の声であった。
無視できない存在の声に、さやかもガネーシャも顔を向ける。
「おまえ、少し黙れ」
「ぐぬ・・・祐漸・・・!!」
「おまえもだ、さやか。それくらいにしておけ」
「・・・・・・」
尚も収まりのつかない表情をしながら、さやかは踵を返して会場から出て行こうとする。
「待て! 小娘! このガネーシャ様を弱者と、愚者と呼んでただで済ますと・・・!」
「ガネーシャ君」
追いかけようとするガネーシャに向かって、また別の声がかけられる。
「む・・・アシュタロス公・・・」
「一つ聞きたいのだが」
アシュタロスは手の中でワイングラスを弄び、中のワインが動く様を眺めながら問いかける。
「貴公はルシファーとベルゼブルを愚者、弱者と呼んだね。確かに二人とも、愚者には違いなかった。だが、私やベリアルが同じ四魔聖として彼らと同列の立場にいたのは、それだけの実力を彼らが持っていると判断したからだ。その彼らを卑下するというのはつまり、我々のことも卑下していると思って良いのかな?」
ほんの一瞬、細められたアシュタロスの視線がガネーシャを射抜く。
本当は僅かな瞬間だったが、確かにそこには殺気が込められていた。
その視線に、思わずガネーシャはたじろぐ。
「いや・・・それは・・・・・・」
「・・・このような場で無粋に声を張り上げるのは美しくない。貴公の言動は些か、エレガントさに欠けるようだ」
「エレガントさだとよ!」
「おまえにゃねーな、ガネーシャ!」
「君にもちょっとあるようには見えないなぁ、ケルベロス君」
「違いねーや!」
「「「ギャハハハハハハ!!!」」」
ケルベロスとハデスが笑い声を上げる。
ガネーシャはアシュタロスに言われた手前声を張り上げることもできず、拳を握り締めて鼻息を荒くしている。
そこへ、さらにもう一人の笑い声が混ざった。
「くくく・・・あっはっはっはっはっは!」
「阿修羅王・・・!」
黒髪を無造作に後ろで束ね、いくつも金色のアクセサリーと薄手の衣をまとい、二本の刀を背負った女性、それが阿修羅王であった。
「はっはっは・・・お主の負けだガネーシャ、そこまでにしておけ。どうせその話はどこまで行っても平行線にしかなりはせぬ。それに私は、死んだ奴のことになど興味はない」
ここまで言われて、今この場でこれ以上この話を続けることの不利を悟ったガネーシャが渋々といった体で引き下がる。
そして代わりに阿修羅王が前に進み出て、ロキの方へと近付いていく。
「のう、ロキ。今のを見た通りだ。この場は皆そなたの顔を立てて大人しくしておるが、我らはいずれも敵対する者同士、もとより友好的にパーティーを楽しめなどと言われても無理な話だ。いい加減茶番はやめて、我らをこの場に呼び出した本当の目的を話せ」
それは、この場に集まった全ての者が思っていることの代弁だった。
ロキの真意、それを誰もが知りたがっている。
「・・・いいだろう。それでは、私が一同を招待した真の理由を話すとしよう」
あとがき
またさやかが目立ってる・・・まぁ、いつものことか。全真魔が、と言いつつ台詞のない奴もいたりする・・・逆にガネーシャは喋りすぎか、黙れと言われるわけだ。