デモンバスターズ
プロローグ
七年前・・・・・・
「あ、生きてる人いたよ」
綺麗な女の人が、蹲っている俺を見つけた。
「なぁんだ、ガキじゃない」
と、俺より年下に見える女の子が言う。
「ほう、この状況で唯一人生き残ったのが子供とはね。いやいや」
背の高い黒ずくめの男があまり好きじゃない笑顔を浮かべて俺を見ている。
「・・・来るか、小僧?」
剣を担いだ紅い眼の男が俺に問いかける。
「・・・・・・・・・行く」
俺は、そう言って頷いた。
これが俺達の出会いだった。
「あんたってさ、バカ以外の何者でもないわよね」
「なんだとこのガキ」
「ガキ言うな、アタシはあんたの五倍は生きてる」
「ババア」
ばきっ
魔竜姫エリス。
こいつとははっきり言って相性が悪いとしか言いようがない。
何かと言えば口喧嘩ばかりだったような気がする。
見た目はガキなのに、竜族の血を引いてるから俺よりも遥かに年上で、力も強い。
「調子はどうですか?」
「まぁまぁだよ」
「それはいい。落ち込んでいるの者は先へ進めず、過ぎたるは身を滅ぼす。ほどほどはいいことですよ」
「俺もそう思う」
「あなたは強くなる。私も楽しみにしていますよ」
ブラッディ・アルド。
昔は暗殺者をやっていたらしいが、その名の通り、血の臭いを全身から漂わせている。
根本的なことを言えば、エリス以上に、こいつとは一生意見が合わないと思ってる。
状況が変われば、真っ先に敵になるだろう。
「どうしたの? 悩み事?」
「そうじゃないけど、ちょっと黄昏てみたのさ」
「天涯孤独の身は、寂しいかな?」
「そんなことないよ。・・・みんないるから」
「そうだね。みんなでいれば、寂しくないよね♪」
大地の巫女、楓さん。
いつでも俺に優しい笑顔を向けてくれる、憧れの人だ。
本人は、巫女として守るべき人達を捨てたひどい人間だなんて言うけど、この人は誰からでも愛される人だ。
いつも穏やかな人なのに、実力はエリスやアルドとも互角以上にある。
「どうした? もう音を上げるのか?」
「冗談・・・・・・まだまだだ!」
「言っておくが、やばくなっても助けてはやらねぇぜ」
「わかってる」
「俺達について来たけりゃ、死ぬ気でやりな」
斬魔剣の豹雨。
俺が知る限り、この地上で最強の男。
どんな強敵と対峙しても、最後には絶対勝利を収める。
そして、何人にも揺るがせられない鋼の精神の持ち主。「てめぇ、そうやって必死にやってりゃ、いつかこの世で二番目に強ぇ男になれるぜ」
俺の、目標だ。
俺達五人、向かう所敵なしだった。
そして何より、五人で自由に生きるのは、楽しかった。
けど・・・・・・。
「ごめんなさい・・・」
あの忌まわしい事件の後、その言葉を残して楓さんは俺達の前から姿を消した。
元々、俺と、エリスと、アルドと、豹雨の相性は最悪といってよかった。
そんな俺達が一緒にいたのは、楓さんの存在が大きかったんだ。
だから、その楓さんいなくなった後、残った四人は散り散りになった。
以来、会っていない。
祐一 「・・・楓さん・・・」
目を開けると、木漏れ日が目に痛かった。
祐一 「・・・ひさしぶりだな、昔の夢を見たのは」
日差しを避けるように体を起こす。
どうやらちょっと休憩のつもりが昼寝をしてしまったらしい。
こんな場所で昼寝などして、野盗に荷物を盗られても文句は言えないが、別に金目のものなど持ち合わせていない。
それに、野盗如きが五十人や六十人来たところで、俺の相手にはならん。
だがそれ以上に厄介なのは、やはり夜だろう。
野宿も別に構わないのだが、今日中に町には出たいところだな。祐一 「行くか」
何も荷物を持たない。
文字通り身一つでの旅。
俺こと相沢祐一は、今こんな生活をしている。祐一 「もう二年か・・・」
あの頃は本当に楽しかった。
今はただ、生きてるだけだ。祐一 「つまんねぇな」
つづく
あとがき
ファンタジーな話、なのかもしれない。
複数の版権作品からキャラを引っ張ってきます。
どうなるざんしょ?