カノン・ファンタジア
2.覚醒の刻
−4−
出発の日は、朝から快晴であった。
陽の光を後ろから浴びながら、王女を乗せた馬車が“2台”、街道を西へ向かっている。供の数は、それぞれの馬車に10人程度ずつである。お忍びの旅ということなので、供の数は少なく、また一行に派手さもない。知らない人間が見たなら、ちょっと上流の貴族の旅行者くらいにしか思わないであろう。そうした装いも、また馬車が2台存在することも、全て万一あるかもしれない襲撃に備えてのものであった。
おそらく2台の馬車はしばらく同じ街道を進み、途中二手に分かれて、それぞれリーガルとサーガイアへ向かうこととなるはずである。
「アリエスの読み通りっぽいね〜。さて、どっちが本命かな?」
その光景を遠く離れた丘の上から望遠鏡を使って一人の少年が見ていた。首から提げているペンダントには、双子座の紋章が刻まれている。
十二天宮の一人ジェミニと、そしてもう一人全身を黒いマントで包み込んだ水瓶座のアクエリアスがその傍らにいる。
「僕“達”はこのまま2つの馬車を追うけど、あんたはどうするんだい? アクエリアス」
「・・・気になることがある」
「へぇ、あんたにもそんなものがあるんだ」
珍しい、とジェミニは子供に似合わぬ皮肉めいた表情を浮かべた。
何しろこのアクエリアスという男は、結成当時からいる最古参の十二天宮の一人でありながら、その正体は覇王以外誰も知らない。謎めいた男はその行動も謎めいており、四年前の決戦の時にも最後まで姿を現さなかった。
同胞を五人までも倒され、主たるはずの覇王自身が絶体絶命に追い詰められたにも関わらず静観していた男が一体何を気にするというのか。
「まぁいいさ。あの馬車がどっちもハズレだった場合は、やっぱり王都が怪しいってことになって、その時こそあんたの出番だし。それまでは好きにしたら?」
「・・・・・・・・・」
「僕ら古参もここらで意地を見せないとね。アインツベルンのお嬢さん達に、これ以上大きな顔されるわけにもいかないでしょ」
ジェミニは望遠鏡をしまうと、丘を下り始める。
その姿が見えなくなった頃、いつの間にかアクエリアスの姿もその場から忽然と消えていた。もしその場に誰かいたとしても、彼が移動した気配をまったく感じることができなかったであろう。それくらい、まるで空気に溶け込んだかのような消え方だった。
馬車は順調に街道を進んでいた。
時を同じくして、その街道を大きく南に外れた地点にある小高い山の中腹に、五人の若い男女の姿があった。
登って来た山道から開けた場所に出ると、一番年下と思しき娘が眼下に広がる景色を見て感嘆の声を上げる。空気をいっぱい吸い込むようにして伸びをすると、風で帽子を飛ばされそうになり慌てて押さえる。
「わっとと・・・っ、ふぅ・・・気持ちいい風〜」
「ほんとにね〜。このまま風に流されていくのもいいかもねぇ」
「あははっ、何か楽しそうですね!」
帽子を被った少女の隣に、巫女服を来た黒髪の女性が並び、二人一緒になってその場で深呼吸をする。まるで仲の良い姉妹のような微笑ましい光景だった。
なのだが、それを見守る残り三人の表情は、晴れた空や、それと同じく明るい二人とは反対に暗い。大剣を背負った唯一の男と、銀髪の少女は共に苦い表情を隠そうともせず、最後の一人の女性は顔こそ無表情だが、一番この状況を快く思っていない雰囲気をまとわせていた。
彼らは――今さら説明するまでもないが、本来なら街道を行く馬車に乗っているべき面々である。
「やっぱ旅は徒歩でしょ! 馬車なんてかったるいって♪」
この一件の主犯たる巫女服の女、莢迦が浮かない表情をする三人に向かって言う。
「私、一度徒歩の旅ってしてみたかったんですよね♪」
そして、五人中一番若いながら一番偉い立場にある少女、フローラがその企みを承諾してしまったため、他の者は誰一人異を唱えることができなかったのである。
いや、フローラ自身が承諾しただけならまだ諌めることはできたのだが、さらに偉い人に加えてその一の部下に至るまでが了承してしまったため、反対意見を述べる暇すらなかったのだ。それもこれも全て、莢迦がフローラをそそのかし、その気になったフローラが誰に相談することもなく父親にまで話をしに行ったことが要因であった。おそらく、莢迦はそこまで計算した上で画策したのだろう。
元々、片方の馬車を使って目的地を目指し、もう一方の馬車に影武者を乗せるという話だったのだが、急遽馬車にはどちらも影武者を乗せ、本人は歩いてサーガイアを目指す、という話になったのである。
「ったく・・・何考えてやがるあのクソ親父は」
祐一は、つい最近父親だと知った男のあまりの気楽さに頭痛を感じた。娘に頼まれたからといってこんな無茶をあっさり許すなど、あれが本当に近親諸国をまとめ上げた連合軍の盟主たるカノン王国の北辰王なのだろうか、とそう思いたい気分だった。
「まぁ、ある意味ではよく考えてのことかもしれないがな」
フォローを入れようとしているのは、同道することになった智代である。莢迦の友人で、また歳も近いということで、今朝会ってすぐにフローラとも仲良くなっていた。
「何でだよ?」
「いや、いたずらに人数を増やすより、この方が機動性があって万一の時に動きやすいだろう」
「そうかもしれません」
智代の言葉に同意したのは、レイリスだった。彼女が言うには、国王は出発の前彼女に、この国で最も信頼できる護衛がついているから大丈夫だろう、と言ったらしい。
確かに言われて改めて考えると、この場にいる四人以上の実力者はそうそう探してもいるものではない。自分もその中に含むのは自惚れではなく、客観的に他者と比較した上でのことだった。国王がおそらく最も信頼しているであろうレイリスと、大武会で強さを見せた祐一、莢迦、智代なら、まさに少数精鋭と呼ぶにうってつけであろう。それに四人とも、集団での戦闘よりも単独での戦闘を得意とする。下手に集団戦闘に慣れた騎士団辺りの人間と組ませては、かえってその力を損なうと考えたのかもしれない。
実力の上では、最も信頼できる人間を最も信頼できる形で王女の護衛につけた形になる。
しかし信頼できると言っても、レイリスと祐一はまだしも、莢迦とその知り合いということで呼ばれた智代に関しては、そう易々と信用してしまってよいものか。
「信頼って・・・アレは実力はともかく人間的に信頼していいものか?」
祐一は道の先でフローラと戯れながら歩いている能天気女を指差しながら両側を歩く二人に尋ねる。
「「まったく」」
レイリスと智代は、異口同音に答えを口にした。つい最近知り合ったばかりのレイリスはもちろん、古い付き合いがあるという智代すらも莢迦の人間性に対する信頼はゼロだった。
「ですが」
けれどそれに、レイリスが一言付け加える。
「少なくともフローラ様に関することでは、信用できると思います」
「・・・意外だな。そこが一番信用できないとか言うかと思ったけど」
「彼女は、フローラ様のことだけは必ず守るでしょう。甚だ不本意ではありますが、その点だけは確信しています」
「そうかもしれないな」
不思議がる祐一の横で、智代もレイリスの言葉に頷いていた。
「あいつは欲深い奴だ。自分の気に入ったものは、絶対に他人に渡さない。王女を・・・フローラを本気で気に入っているなら、必ず敵から守ろうとはするだろう」
「・・・ある意味、あいつ自身の方が危険てことなんじゃないのか? それは」
覇王軍に狙われるより前に、莢迦がフローラを攫ってどこかへ雲隠れする可能性の方がよっぽど危険なような気がした。
どうやらそれについてはレイリスも智代も同意見のようで、三人揃って白い目で前を行く莢迦の背中を見据える。
そんな感じで王都を出発してから10日が経過した。
カノンの王都からサーガイアまでは、馬車なら半月ほどの距離だが、徒歩だとその倍はかかるであろう。つまり今は、大体三分の一ほどの行程を終えたことになる。
道中は、それはもうこれほどちぐはぐで珍妙な一行はいないだろうと思えるようなものだった。
まず、莢迦は能天気過ぎる。
続いて、フローラは世間知らず過ぎる。
さらに、智代もこれまた少し世間一般からずれた感覚の持ち主のようで、莢迦やフローラの奇行を遠目に見ていたかと思うと、いつの間にかそれに混ざっていたりするのだ。
一番まともなのはレイリスだが、これはフローラ至上主義なので、よほどのことがない限り静観している。
そして女性四人、しかも揃いも揃って超一流と言って良い美人達に囲まれている、世の男達から羨望の眼差しを集めそうな男、祐一はそんな彼女らにはほとんど無関心で、旅の間も暇を見つけては鍛錬をしていた。
「お嬢〜、ちょっとこっちおいでー」
今は、旅の途中で立ち寄った港町に五人はいた。
お嬢、というのはフローラのことで、道中人目のあるところではフローラのことをそう呼ぶように取り決めてあった。国境を越えてしまえば、そうそう王女の名前まで知っている人間は市井には多くなかろうが、万が一を考えての配慮である。何と言ってもフローラの世間知らず振りと、隠そうとしても隠し切れない王族としての気品というものはなくしようがない。そんな雰囲気と名前とが合わさっては、正体を連想できる人間もいるだろう。
「莢迦さん、何か珍しいものありましたかー?」
けれども、はしゃいだ様子で莢迦の下へ走っていく姿は、確かに隠れようもない気品がないこともないが、普通の少女にしか見えなかった。
ついでに智代もついていって、三人で何やら市場を覗いている。
「へ〜、こんな魚、食べられるんですか?」
「結構いけるよ。この街なら新鮮さも申し分なさそうだし」
「その辺にある店でなら食べられるんじゃないか」
女三人寄れば姦しいとはよく言うが、まさにそれだった。
一人レイリスだけが祐一の隣に留まり、遠目にその様子を見ていた。
「おまえも加わってきたらどうだ?」
「いえ、私はお嬢様の楽しそうなお姿が見られれば満足ですから」
楽しくしている要因があの人なのは気に入りませんが、と小声を付け加えるのを、祐一は聞き逃さなかった。
ここ数日、というよりもそれ以前、はじめてフローラ、レイリス、莢迦の三人が一緒にいるところを見た時から感じていたことだが、レイリスは明らかに莢迦を嫌悪している。祐一から見ても好ましい相手ではないのだが、レイリスの嫌い様は尋常ではない。それこそどうして、莢迦とフローラが共にいることを容認しているのか不思議に思えるくらいに、である。
得体の知れない女ではある。けれどフローラがあれほど信頼しているのを見るに、普通にしていればそれほど大きな害にはならなそうではあった。レイリスもそれがわかっているからこその黙認なのであろうが、ならばどうして、ここまで嫌悪感を露にするのか。
「レイリス、おまえ、そんなにあいつが気に食わないのか?」
「はい」
即答だった。一瞬たりとも迷うことなく、きっぱりとした口調で言い切った。
「何でだ? 俺も大して好きになれる奴とも思えないが、おまえほどじゃないと思うぞ」
「・・・祐一さん。例えば、女性が虫を嫌悪するのに、理由がいるでしょうか?」
「そこまで言うか・・・?」
「近いものがあります」
つまりレイリスにとって、莢迦と虫は同列の存在らしい。本当に、どうしてそこまで嫌うのか、そしてどうしてそれだけ嫌いながらレイリスが最も大切にしている存在あろうフローラに近付くことを許しているのか、不思議極まりなかった。
「もう少し付け加えるなら・・・」
言いかけて、珍しくレイリスが言いよどんだ。彼女にしては滅多にないことである。
「今目に見えているのは、あの人の表面でしかありません」
「それはまぁ、そうだろうな」
人間そうそう、その内面まで覗けるものではない。
今まで周囲にいた人々のほとんどが祐一の、魔力0という部分しか見ていなかったのを同じように。
その人の全てを理解することなど、容易くできることではなかった。
けれどレイリスは、まるで莢迦の内面まで見えているような調子で話し続ける。
「あの人の本性は魔です」
「魔?」
「見ていれば、いずれわかると思います。そしてそれは、私も同じなんです」
「同じ、って・・・」
レイリスの視線が少し動く。その先を追っていくと、莢迦とフローラと一緒にいるもう一人、智代に向けられていた。
「智代さん、素敵な方ですよね」
「は?」
「真っ直ぐで、祐一さんに似ています」
「似てる・・・かぁ?」
そんなことを言われたことは今までなかった。というのも、祐一と智代に共通の知り合いなどというものが今までいなかったからなのだが。
確かに、人間そのものに対してある種の不信感を抱いている祐一自身の主観を抜かして客観的に見れば、智代は確かに真っ直ぐで、所謂善い人だった。
しかし、それが今何の関係があると言うのか。
「羨ましいです」
「何がだ?」
さっきからレイリスの言葉は不可解なことばかりだった。
「・・・私は、見た目ほど綺麗な人間ではありません。どんなに着飾っても、お嬢様という陽の光を浴びても、その奥にある本質は、変わることはない」
淡々として口調で語りながら、レイリスの言葉には辛い感情が滲み出ていた。
まるで子供が仕出かした悪戯を、親に告白するかのように。
「同じなんです、私とあの人は。心の底に、深い闇を隠し持っている。だからわかるんです、あの人の本性が魔であることも・・・あの人がお嬢様のことは、本当に大事に思っていることも・・・」
「・・・・・・・・・」
「同族嫌悪、というものでしょうか。私があの人を嫌うのは、そうしたわけです」
「おまえとあいつが、同じようには見えないけどな」
「同じですよ。・・・例えば今、突然この街の人全員が暴徒と化してお嬢様を殺そうとしたら、祐一さんはどうしますか?」
「は? どうするって・・・・・・」
例えが突飛過ぎて、すぐには答えが出なかった。フローラが大事なのは確かだが、いきなり街の人間が暴徒になる理由もわからない以上、そうした場合の対処を考えろと言われても無理があった。できれば、双方ともに無傷でやり過ごしたいところではあるが・・・。
「迷われましたね。祐一さんは、それでいいんです。けど、私やあの人は、迷いませんよ」
レイリスはその答えを、淀みない笑顔で告げた。
「どんな理由があろうと、私の大切なものを傷付けようとするなら――殺します」
その時祐一は、出会ってはじめて、レイリスを怖いと感じた。
けれど、次の瞬間見せた顔は、とても哀しげだった。
「それが、心に闇を持つということです」
何の感情も見せずに、淡々とした言葉と表情で、ただ大切なものを傷付けようとしたというだけで、その理由の是非も問わず、相手を殺すという。そこには道徳も良心もなく、ただ純然たる事実として、レイリスの心にはそれがあるのだろう。
たぶんそれは、普通の人間に理解できる感情ではない。
だから、怖いと思ったのだ。
「・・・なんで、急にそんな話になったんだ?」
祐一は、喉がカラカラに渇いているのを感じた。
最初に話し始めたのは自分の方だったが、どうしてこんな話に発展したのかが正直わからなかった。
「・・・・・・自分を偽ったままでは、敵わないと思ったからです」
「誰に?」
「智代さんと・・・あの人にです」
「意味がわからないな」
「会ってまだ数日ですが、わかります。智代さんは、祐一さんのことが好きですよ」
「は?」
どうしてそういう話になるのか、ますますもって理解に苦しんだ。
だが、レイリスは冗談を言っているようにも見えない。
むしろ大真面目で、どこか辛いのを我慢しているようにも見えた。
「智代さんは祐一さんと同じで、真っ直ぐで曇りない目をしています。本当に心の綺麗な方で・・・偽りの、綺麗な振りをしているだけの私では到底敵いません」
だから、と言ってレイリスは一旦言葉を切る。祐一も言葉はなく、続きを待った。
「・・・本当の私を、知ってもらいたかったんです」
意を決したように、レイリスが祐一の方へ振り向いた。その瞳は、不安げに揺れている。いつも毅然としているレイリスとは違う、まるで普通の少女のような姿だった。
心に闇がある、と言って怖いと感じさせたレイリスと、今のレイリスと、一体どちらが本当の彼女なのか。
たぶん、今のレイリスは、本当の自分を知られたことで祐一に拒絶されることを恐れている。それでも、本当の自分を知ってもらった上で、そんな自分を見てもらいたいのだろう。レイリスの好意と、それを拒絶されることを恐れている心くらいわからないほど、祐一は鈍いつもりはなかった。
だから口をついて出たのは、まるで別の事柄だった。
「・・・・・・智代はともかく、何で莢迦までなんだ?」
さっきレイリスは、智代と莢迦に敵わないと言った。だがその理由に関しては、まだ半分しか言っていない。
「それは、ご自身の胸に聞いてください」
とりあえず拒絶はされなかったことによる安堵か、レイリスの調子は本来のものに戻りかけていた。
「何だそりゃ?」
「さぁ?」
「おまえな・・・まさか俺があいつのことそういう風に見てるなんて思ってるわけじゃないだろうな!?」
「そうとは限りませんが、今のあなたの中で、あの人の存在は大きいと思います」
「・・・・・・・・・」
そう言われては返す言葉がない。
祐一自身無意識のことなのだが、この数日間の鍛錬において常に思い浮かべるのは、大会での莢迦との試合だった。
鬼斬りの幽や、相沢夏海との戦いも当然思い出しはするのだが、より己を高めようとする時、決まってあの時の戦いを頭の中で再現しようとしている。それはたぶん、あの試合の時が一番、祐一が全力を出せていたからだろう。
だからその時の相手であった莢迦のことはよく考えているが、そういう感情は決してない、はずだった。
「つまらないこと言うなよっ」
「失礼しました。ですが・・・この際ですから多少の無礼は承知の上で申し上げますが、大会前までの祐一さんは、行き詰っているように感じていました」
「・・・・・・・・・」
「そこから一歩踏み出すきっかけになったのは、あの人との試合だったように思います。だからあの人は、祐一さんの世界を変えた人・・・意識するなというのは、無理な話です」
「・・・馬鹿言えよ。大体な、俺は今そういうこと考えてる暇なんかないんだよ。相手がおまえだろうと莢迦だろうと坂上だろうと、誰だろうと、だ!」
「はい、わかっています」
頷いたレイリスは、もういつもの彼女だった。
ホッと、祐一は知られないよう安堵のため息をつく。心の闇と称した怖い一面も、女らしい一面も、心を乱される。彼女には、いつものような姿でいてほしいと、そう思った。
そんなことを考えていると急に気恥ずかしくなり、それを悟られまいとして、先を行く三人に追いつくために歩く速度を上げる。
すると、奇妙な気配を感じた。
殺気ではない、が、非常に嫌な気配だった。精神を蝕んでくるような、不快感を催すそれに、レイリスも、前を行く三人も気付いたようだ。
「――ッ!」
あまりに不気味な気配に、祐一は背中の剣に手をかける。
気配を追って頭上を振り仰ぐと、その主を見つけた。
フローラ達がいるすぐ横の建物の屋根に、全身を黒いマントで包んだ人間が立っていた。
to be continued
あとがき
はい、少し間が空いたが2章も4話目、当初はしばらくほのぼのいこうかと思ったけれど、それも退屈なので急展開。まぁ、今回に限っては祐一とレイリスの絡みがメインなわけだけど、次回は突如現れた謎の敵との戦いが・・・!