カノン・ファンタジア
Chapter 2
-1-
「・・・・・・・・・はっ!」
その少女、伊吹風子が我に返ると、彼女は見知らぬ場所にいた。
いた、というよりは、見知らぬ場所を移動していた。
彼女自身の意志ではなく、ふわふわと浮いているような感覚で、周囲の景色がひとりでに流れていくのである。
流れ行く景色は前に向かっていっているので、風子は後ろ向きに移動していることになる。
「? 何かが変です」
変と言えば全てがおかしな状況だった。
“つい先ほど”まで、風子は町にいたはずである。
自分の意志で、町の宿にいたはずだった。
それが突然気がつけば町を離れた山中におり、しかも自分の意志とは関係なく浮遊している。
これを不思議と言わずして何と言おうか。
「はっ! 風子は今、すごいことをしているのかもしれません。無意識の内に転移、浮遊魔法を使用・・・いえ、もしかしたら時間跳躍までも行った可能性が! すごいです、風子、天才かもしれません。さっそく“あの人”に自慢してやります。そして如何に風子が偉大であるかを今度こそ・・・」
「やかましい」
「んきゅっ」
風子の体が空中で跳ねる。
いや、正確には空中で、ではなく、跳ねたのも自らの意志ではない。
今の状態を正確に言い表すと、網に入れられた状態の風子が前を歩いている男が肩に担いだ長剣に吊るされている状態であった。
その男が剣を上下にゆすった反動で、後ろを向いていた風子はひっくり返り、男の背中が逆さに目の前にある形になっていた。
そこまで認識してようやく風子は自分の置かれている状況を理解した。
「わ! 何するんですか、下ろしてください! 風子は物じゃないです!」
「いつまでもボーっとしてやがるからだ。運んでやってるだけありがたいと思いな、チンクシャ」
実は風子は気付いていないが、彼女達が町にいたのは今朝のことで、今はもう正午をまわっていた。
「チンクシャって言わないでください! まったくどこまでも失礼な人です。それから、さっさと下ろしてください」
「てめェの歩く速度に合わせてたら日が暮れる。チンクシャは黙って荷物になってろ」
「また言いましたね! 風子には伊吹風子という可憐で素敵な名前があるんですから、風子、もしくはかわいらしくふぅちゃんと呼んでください」
「小娘なんざチンクシャで充分だ。それにこの俺様に運ばれてんだ、光栄だろ」
「最悪です!」
じたばたともがく風子。
しかし動けば動くほど網は体に絡まりつき、事態は悪化する一方であった。
騒いでいる“荷物”の事はそれ以上気に留めずその男、鬼斬りの幽は山道を淀みない足取りで進んでいた。
幽と風子が直前までいた町に祐一達一行が辿り着いたのは、その日の夕方近くのことであった。
旅に出てからおよそ半月、その間覇王軍に関して得られた情報はゼロである。
仕方がないので祐一達は、鬼斬りの幽と思われる目撃情報を頼りにここまでやってきたのだが、それも今日のようなすれ違い続きだった。
「次の町まではちょっと無理そうですね。今日はここで宿を探しましょう」
「賛成ー。私疲れたー」
これも毎度のことながら、一番旅慣れしている様子を見せ、また誰よりも元気そうな人間が必ず最初に疲れたと言う。
実際、旅に関しては初心者に近い祐一達三人が無事に旅を続けられるのも彼女、莢迦がいたからこそだが、その分を打ち消して余りあるほど彼女の言動に振り回されているのもまた事実であった。
とにかくすぐに疲れたと言っては勝手に休憩を取り、重いと言っては荷物を全て祐一に押し付け、町についたら食事処も宿も勝手に決める、宿に入ったら必ず一番風呂に入ると、とにかくわがまま放題なのだ。
それに対し度々祐一がキレかけるのだが、のらりくらりとかわされた上、旅のノウハウを説かれて反論できないまま言いくるめられる。
後から思い返せば莢迦の判断が色々的確だったことがわかるため余計に腹立たしい。
ただ、いくら考えても荷物を押し付けるのと一番風呂を独占するのは明らかに莢迦個人のわがままに他ならない気がした。
「じゃあ、佐祐理さん、宿とか頼む。俺は少し町の外で鍛錬していくよ」
「わかりました。でも、あまり根を詰め過ぎないでくださいねー」
「ああ」
町に入るところで、一時祐一は他の三人と離れる。
これもいつものことで、時間がある限り祐一は鍛錬の時間をとっていて、たまに舞も付き合っていた。
今日は祐一だけが一行を離れ、佐祐理、舞、莢迦の三人は町へと入る。
町中を歩きながら、三人は宿を探す。
途中で市が出ているのを見つけると、佐祐理は物珍しげに露店を見て回る。
楽しげにしている佐祐理とは裏腹に、舞は浮かない顔をしていた。
それを見止めて、莢迦が話しかける。
「どう? 最近の彼は」
尋ねているのは当然、祐一のことだった。
浮かない顔をしている理由を的確に突かれて驚く舞だったが、すぐにまた沈んだ顔で通ってきた道を見る。
実際に見ているのは道ではなく、その先で別れた祐一のことであろう。
「・・・ちょっと、焦り過ぎてる」
「上達はしてる?」
「してると思う。だけど、何か、違う気がする」
舞は上手く言葉を選べずにいた。
ずっと昔から祐一のことを見ていて、常にそうした雰囲気は感じていた。
思いつめて、我武者羅に強さを求めて、焦っているような感じ。
それが最近はさらにはっきりと現れるようになっていて、今はもう鍛えているというよりは、無駄に自分自身を痛めつけているようにしか舞には見えなかった。
正直言って、舞はそれを見ているのが辛い。
「あれじゃあ、祐一は、強くなれない・・・と思う」
「でしょうね」
莢迦は舞の話を聞いて納得顔で頷いている。
「彼の技術はもう結構な域に達してる。足りないのはもっと根本的な、別のもの。それがわからなければ・・・」
強くはなれない。
今の祐一では、まだ足りないのだ。
それを口に出して教えてやることは簡単だが、それでは人は納得しない。
自分自身の体で、心で理解し、受け入れられなければ、人は変わることはできないのだ。
そして足りないものを手に入れて、変われない限り、祐一がこれ以上強くなることはない。
「(興味深い素材なんだけどなぁ。一皮剥けるには、もう少しかかりそうね)」
小一時間ばかり鍛錬を続けた祐一は、重くなった体を岩に預ける。
旅の疲れがあるところに、ペース配分などまったく考えずに動き続けたため、全身が悲鳴を上げている。
それほどまでに自分を痛めつけても、まだ足りなかった。
祐一自身、気付いていた。
自分が半月前の大会の時から、少しも強くなっていないことに。
「くそっ!」
技術は向上している。
だがそれだけで、少しも強くなったという気がしない。
小手先の技などいくら身につけたところでまったく届かない敵と、半月前に遭遇したのだ。
莢迦、鬼斬りの幽、覇王十二天宮アリエス。
祐一が戦った相手の強さは一線を画していた。
彼らのようになりたいと思う反面、彼らの排他的な強さを否定もしている自分がいて、それ以前にその是非を問える舞台に自分が立ててすらいないことが悔しくて、ひたすらに祐一は強くなろうとしている。
だが、どれほど体を痛めつけても強くなれる気がせず、結果さらに苛立ちは募っていた。
「・・・もう少し、やるか・・・」
それでも、今の祐一にはこうする以外に道は見えなかった。
再び剣を手に取ろうとした時。
「変なの」
「!?」
背後からかけられた声に驚き振り返る。
一瞬前まで自分が背を預けていた岩のところに、幼い少女が同じような体勢で寄りかかっていた。
夕日に照らされて、真っ白い髪と肌は紅く染まっており、瞳も真紅であった。
白い少女が、黒いコートをまとって佇んでいる様は、どこか幻想的な雰囲気も見せていた。
その雰囲気に、背後に立たれるまで気配をまるで感じなかったことに対する驚きは吹き飛びかける。
「くすくす、驚いた? お兄ちゃんたら全然気付かないんだもの」
「え?」
「わたし、ずっとそこにいたんだよ?」
そう言って少女はもたれかかっている岩のすぐ横を指差す。
ずっといたと言う少女の言葉を信じるなら、祐一はそれすら気付かないほど根を詰めていたことになる。
少女の笑顔がその祐一の迂闊さを笑っているようで、気恥ずかしい思いがした。
くすくすと笑う少女の表情は無邪気で、最初に感じた幻想的で、どこか大人びた感じすらする雰囲気はなくなっており、少し変わった女の子程度の印象になっていた。
「君は、町の子か?」
「ちょっと違うけど、うん、まぁ、そういうことにしておく」
「どういうことだ?」
「内緒。それよりわたしとしてはお兄ちゃんのことの方が気になるなー」
少女は口元に指を当てていたずらっ子の笑みを浮かべる。
「ブッソウなもの振り回して、何してたの?」
「何って、鍛錬だよ」
「鍛錬? あれが? ああいうのが鍛錬って言うの? ただ暴れてるようにしか見えなかったけど」
「う・・・」
この指摘は正しい。
我武者羅になっていた祐一は、特に最後の方などは型など一切無視してただ体を動かしているだけであった。
それで本当に鍛錬と呼べるのかと聞かれたら、自信を持って答えることはできない。
わかってはいるのだが、それを年端も行かない少女に指摘されるのは、年上として手痛いところである。
「でも鍛錬って、どうしてそんなことしてるの?」
「そりゃぁ、強くなるためさ」
「どうして?」
「どうしてって・・・?」
「人の才能とか器なんて、生まれた時から決まってると思わない?」
語りながら少女は歩き出す。
「どんな人も、その力と運命は、生まれた時から決まっているの。強い人は生まれた時から強いし、弱い人は生まれた時から弱い。その差はどうやったって絶対、縮まらない」
「そんなことはない!」
思わず祐一は、相手が子供だということを忘れて声を荒げる。
「たとえ何も持たずに生まれても、死に物狂いで努力すれば必ず得られるものがあるはずだ!」
「・・・・・・」
祐一の剣幕に、少女が目を見開いている。
その表情を見て祐一は、自分を落ち着かせる。
「悪い・・・変にむきになっちまって・・・」
「ううん。でも・・・そっか。うん、そうだといいね」
にこりと微笑んだ少女の笑顔は、どこか儚げで、悲しげなものに思えた。
「わたし、もう行かなくちゃ」
「そうか。気をつけて帰れよ」
「ありがと、お兄ちゃん。そうだ、わたしイリヤ。お兄ちゃんは?」
「俺は、相沢祐一」
「ユウイチね。じゃあ、いいこと教えてあげる。もしも灰色の巨人に会ったら絶対逃げること。さもないと、死んじゃうよ」
「え?」
「じゃあね、バイバイ、お兄ちゃん!」
謎の言葉を残して不思議な少女、イリヤは去っていった。
最後の忠告のような言葉は一体何だったのか、わからないまま祐一は剣を納め、町へと戻った。
祐一がいた岩場から少し離れた町外れ。
そこでイリヤは一人の男と落ち合っていた。
「何やってんだよお姫さん。勝手にふらふらされたら護衛の意味がねぇだろうが」
見る者が見たら驚くであろうその男は、覇王十二天宮の一人、レオであった。
普通の若者風の服装で、頭にバンダナを巻いて変装しているつもりなのだろうが、顔見知りが見れば即座にばれるであろう。
「いいじゃないの、クー。わたしだってたまには一人で散歩したいの」
「ま、いいけどな。それよりもう仕事は終わってるんだ。とっとと帰らないと祭りに乗り遅れるぜ」
「そうね。遅れるわけにはいかないわ。大事な大事な・・・覇王復活祭に」
町の中央に差し掛かると、眼前に笠が飛来した。
それを掴み取って投げた当人を睨みつけると、逆に睨み返される。
「遅い! こっちはお腹空いてるっていうのにいつまで待たせる気?」
「おまえの都合なんざ知るか!」
言いながら祐一は笠を投げ返す。
受け取った笠をかぶりながら莢迦は、直前までのふくれっ面はどこへやら、不思議そうな表情で祐一のことを見る。
「どうしたの? 複雑な顔して」
「いや、何て言うか、毒気を抜かれたというか・・・」
複雑なのは顔だけでなく、祐一の心境そのものであった。
先ほどの少女、イリヤの言葉は祐一の心に重く響くものがあった。
今まで散々言われてきたことと同じで、怒りを覚える反面、それが子供の言葉であったために怒るに怒れず、といった感じである。
そうした心境が顔に出ていたのを莢迦に読み取られたらしい。
「ふ~ん。ま、いいや。早くご飯にしよ、私お腹空いてるの」
「へいへい」
細かい追求はせずに食事へ行く事をせかす莢迦に祐一は従う。
食事処へ向かう途中で、情報収集を行っていた舞と佐祐理に合流する。
すぐに食事にすると言う莢迦に対し、二人は意外な事を告げてきた。
「それ、確かなの?」
「はい。これがその・・・」
佐祐理が取り出して見せたのは、比較的古い懸賞金の告知書と、それに添付された最新の情報を載せた紙であった。
懸賞金は二年前、連合軍に所属した各国が出したもので、覇王軍残党に関する有力情報提供者、またはそれを捕らえた者に与えるとして出されたものである。
そして載せられている情報は最新も最新、つい昨日今日もたらされたようなものだった。
内容としては、アザトゥース遺跡に覇王軍の残党が潜んでいる、というシンプルなものだ。
「アザトゥース遺跡・・・ってどこですか?」
「西の山岳地帯を越えた先にある古い遺跡よ。確かにあの辺ならあまり人も寄り付かないし、隠れ蓑として使えないこともないけど・・・」
今度は莢迦が複雑な表情をする番だった。
色々と不自然な点が多い。
確かにアザトゥース遺跡は隠れ蓑にできる場所ではあるが、連合国の勢力圏からそう遠くもない。
当然調査もされていたであろうに、一切の痕跡が発見されなかったという疑問。
仮に何らかの手段で調査の目を逃れ、そこに潜伏していたとして、二年もの間どうやって物資を補給していたのかという疑問。
そして何より、今までまったく入手できなかった情報が何故突然入ってきたのかという疑問。
疑問は尽きなかった。
「誰かを誘い寄せるための罠?」
そもそも、先日のカノンの一件と言い、風の噂で伝わってきたサーガイアでの事件と言い、何故今になって彼らが活動を再開したのかという疑問は第一に存在する。
ある程度の予想は立てられるが、それらは全て憶測でしかない。
確かめるためには、実際にこの情報に乗ってみるしかないのだろうが・・・。
「どうする?」
「どうって、行くしかないだろ」
「安易だねぇ」
情報があるのは潜伏場所だけで、敵の規模もわからない。
最低でも覇王十二天宮がいると考えただけでも、一騎当千の敵が十二人。
迂闊に突付けば命の保障はない。
「何であれ、あの男はそこに行くだろ?」
「・・・ま、そうだろうね」
命の保障など、あの男にとっては些事である。
鬼斬りの幽は間違いなく、情報を頼りにアザトゥース遺跡を目指すだろう。
最も、この情報が今日出たものだとすれば、今朝早くこの町を発ったらしい幽はまだ知らない可能性もあった。
とはいえ、次の町に着けば、おそらく一両日中には同じ情報を得るはずだった。
アザトゥース遺跡へ行けば、幽も十二天宮もいる。
だから祐一は、そこへ行くことを求めていた。
「行ってみなくちゃ始まらない、か」
「決まりだな。明日の朝早く、アザトゥース遺跡に向かう」
「決定ですね」
「・・・わかった」
祐一の言葉に、舞と佐祐理が頷き、莢迦も承諾した。
目指すは、アザトゥース遺跡。
「それで、そこへはどう行くんですか? 山越えになるんですよね?」
「・・・山越えは、結構大変」
「そうだね。だけどここからなら、西へ真っ直ぐ行けば比較的楽に着けるよ。逆に、北回りのコースを取っちゃうと、かな~り険しい道のりになるだろうね。まぁ、普通の人なら行かないね。北の町から行く場合も、多少遠回りでも一度ここまで戻って西の道を通ることをお勧めするよ」
「くしゅんっ! 幽さん、風子は寒いです」
「当たり前だ。北に向かってるんだからな」
「寒いのは風子嫌いです。暖かい食事とふかふかのベッドを所望します」
「チンクシャ小娘が贅沢言ってんじゃねェ。宿代はてめェで出しな」
「勿論です。幽さんに恵んで貰うほど風子は落ちぶれていません。宿代くらい自分で稼ぎます。このとってもかわいらしい・・・」
網の中で暴れるのに飽きた風子は、運ばれながら木片を削っていた。
半日余りたっぷりかけて彫られた彫刻は、星型のようだった。
完成したそれを眼前に掲げながら、風子はぽわ~っとした表情で別世界に旅立っていた。
・・・・・・・・・・・・
夜の宿で、風子は気がついた。
「・・・というわけで、このかわいらしいヒトデの彫刻を売れば大儲け間違い無しです。ご理解いただけましたか?」
気がついた風子は、本人曰くヒトデ型の木片を抱えたままベッドに横たわっていた。
「・・・・・・不思議です。気がついたらふかふかベッドにいます。ふかふか・・・」
ベッドに顔を埋めて、ぽわ~っとした表情になる風子。
また長い間旅立っているかと思いきや、今度は数秒で現実に復帰する。
「はっ! もしやこれは風子の願望が生み出したのでしょうか? これが話に聞く空想具現・・・」
「黙って寝ろ」
どかっ!
「んきゅぅ・・・」
剣の鞘で頭を叩かれて風子はベッドに沈み込む。
頭上に浮かぶ無数のヒトデと、その幸せそうな表情から、良い夢を見ているであろうと思われる。
風子をベッドに放り出した幽は、窓の淵に剣を抱えて腰掛けていた。
その手には、今いる町に着いた時に手に入れた紙の束がある。
覇王軍残党の懸賞金と、その情報が載せられている紙束が。
to be continued
あとがき
Chapter2開始。さっそく新キャラが二人登場。ずっと書きたかった二人だけに、ようやく登場させられたというところ。そして祐一であるが、旧版ではこの辺りからもう結構吹っ切れてるようなところがあった彼であるが、新版ではまだまだ思い悩んでもらう。そもそもそういう設定なのだから、とことん弱い祐一でいてもらうさ。その方がいつか強くなった時に得るものが大きいからの~。
風子は旧版における栞のポジションにいる幽のヒロイン的存在。イリヤは敵側の立場だけれど、祐一と深く関わることになるであろう存在。イリヤがどの程度今後重要な立場になるかはまだ未定だが、風子の方は結構大事な存在であり、幽とセットでメインの一角となるであろう。
次回はサーガイア組も登場し、役者がアザトゥース遺跡に揃うこととなる・・・かも。