Prologue 〜伝説〜

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Episode T The Lost History

 

遥かな昔

もう誰も覚えていない、古の国

それは

王様と、聖女様と、竜のお姫様と、魔物の物語

時の流れの中に埋もれた記憶

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Episode U Dragon Lord

 

地上から遠く離れた、魔の大地。

その大陸の一つを統べる、竜の王がいた。

ある時そこへ、一人の人間の少女が訪れた。

彼女はたった一人で竜の一族に戦いを挑み、これを全て屈服させた。

魔の大地に生まれた伝説。

竜を統べる人間の物語。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Episode V 4 Witches

 

四人の魔女がいた。

 

一人は漆黒。

黒の魔女は陽気で悪戯好きで、一番強い力を持っていた。

 

一人は白銀。

白の魔女は聡明で、最も知性に溢れていた。

 

一人は群青。

青の魔女は情熱に満ちて、誰よりも高みを目指す意志を持っていた。

 

一人は紺碧。

紺の魔女は慈愛に溢れた、心優しき人だった。

 

彼女達が求めたのは、究極の知識、この世の真理。

人々を恐れさせるほど大きな力を持ち。

人々と救い、導くことのできる知恵を持ち。

人々の手の届かぬ高き場所から世界を見つめる。

そんな魔女達の物語。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Episode W The Great Legend

 

最強と謳われた男がいた。

いや、それは人に非ず、鬼であった。

その男を知る者は、彼をこう呼んだ。

鬼斬りの鬼、と。

 

混迷する戦乱の世。

それがようやく終焉へと向かう頃に、鬼は現れた。

四人の死神を従え、立ちはだかる者は全て打ち倒した。

いつしか誰もが、彼らを恐れた。

彼らと対峙した者に与えられるのは、絶対の死。

 

その強さをもって戦場を駆け巡った彼らは、戦乱の終結と共に忽然と姿を消す。

それは、最強と謳われた鬼斬りの鬼と、それに従う死神・四死聖の物語。

今もまだ、人々の記憶に新しい伝説である・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

目覚めと共に、夢の記憶は霧散していく。

はっきり覚えていられるのは、断片的なものばかり。

古いものに至っては、僅かでも意識があるとまったく読み取ることができなかった。

 

「・・・また、一番古い記憶は覗けなかったな」

 

彼女はそう呟いて目を開ける。

最初に目に映った光景は、満点に星の輝く夜空。

背中には地面の感覚があり、どうやら彼女は地面に仰向けに横たわっているらしい。

時間は深夜、午前零時を少々まわったところであろう。

それらの情報を瞬時に読み取った彼女は、再び目を閉じて、さらに深い情報を得ようとする。

自然界に存在する“流れ”の中から知識を得ることくらい、彼女には造作もないことだった。

 

「そう。あの戦いから、まだ2年くらいしか経ってないのね。今度の眠りは結構浅かったみたい」

 

体を起こして周囲を見渡すと、そこがちょっとした丘陵地帯になっているのがわかる。

上には星空、そして眼下には、大きな街が広がっていた。

 

「カノン、か。ここが今度の物語の始まりの地、ってところかしら」

 

 

 

 

 

 

 

 

そして今再び、物語は幕を開ける。

彼女の目覚めと共に。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カノン・ファンタジア
〜Dragoon Saga Episode X〜