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 柿右衛門 象置物



柿右衛門の象と言われた置物です。
このタイプの柿右衛門の象置物は存在してはいるようです。

濁し手の綺麗な白磁に覆布部に彩色が施されております。
小品ではありますが、造形は非常に丁寧で精緻なもので存在感があります。
覆布の表現なども布めくれや房付の綱のディテールまで見事です。
この様な作行きはまさに私の蒐集の主眼点でありますので
大のお気に入りなのであります。

この作品についてもう少し私見を申しますと、象のリアルさについてですが、
盛期に作られてヨーロッパに輸出された象は、美術館などの図録で見ると、
象の実物ではなく当時の絵画や言い伝えから作られたようで、
このようなリアルなものではありません。

この象の場合、体部的には正確ではありませんが、この動きのあるリアルさは
実物あるいは後世の写実画を参考に作られていると思われます。
したがって、盛期からは時代が下がるものと考えております。
ちなみに、18世紀には ヨーロッパの窯でもこの象の写しが
数多く作られていたそうです。

横14.5cm 高15.3cm
 




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