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この仏様は何処の国の作品か分からない。おそらくは中国だろうと思っています。 類例があるだろうとネットで仏像の画像を検索してみたが見当たらない。 まあそれについては私にとってどうでも良いことではあります。 そもそもこの仏様に私の所に来ていただいたのは、 深遠なる静寂のなか、ゆるぎない心で凛然と瞑想するかのごときお姿に 心打たれたからからなのです。この仏様を拝していると心が癒されます。 それはさて置き、骨董コレクターとしての所見を少し。 この仏様は結跏趺坐(けっかふざ)で転法輪印(てんぽうりんいん)の印を 結んでおりますが、これは釈迦如来が説法をした時の姿を現しているそうです。 信頼と安心を与える印で衆生の安寧を願うお姿であります。 特筆すべきは、通常お釈迦様の頭髪は螺髪(らほつ)と呼ばれる 巻毛の粒で表現されているのが普通なのですが この像は宝髻(単髻:たんけい)という髪を頭頂部で一つに まとめて根本を紐で結んだ髪型になっております。 このことと袈裟でなく着衣であることから釈迦如来ではないのかも知れません。 お顔は多くのアジアンアンティークで見られる日本人にはやや違和感を 感じるものでなく、素直に受け入れられる良いお顔をしておられるのも 特徴的であります。 高22cm |