藍九谷 梅に鶯文小皿
寛文延宝 径14.7cm 高1.7cm


この皿は5寸皿ではあるが、縁周りはベベラと呼ばれるヒダヒダの加工が施されている。
7寸サイズの藍九谷のベベラ縁のお皿に見られる形態である。
洗練された見込絵から延宝様式への移行期の作と思われる。

この梅に鶯の意匠を配したお皿はいくつかのパターンを目にしたことがある。

縁周りの文様は当初、単純に桐文繋ぎと思っていたがそうではないようである。
よくよく眺め回して思いをめぐらせて、これは松の枝葉であると思い至った。
梅の木と根元の笹葉、縁周りの松ヶ枝、松竹梅の構成になっているようである。

裏は花唐草と呼べるかどうか分からないが、環状の花文繋ぎになっており、
高台に二重圏線、および内外にも圏線が周っている。




2010年4月1日