染付 物語窓絵尺皿
幕末明治 径35.3cm 高4.5cm 

このお皿は物語のありそうな窓絵に惹かれて思わず、いわゆる衝動買いしたものです。
下図のUP画像の人物画は、この時代に多く見られる山水人物文とは明らかに異なった、ドラマチックな絵であります。
手前の人物は不思議そうに地面を見つめており、後ろの人物も何事かと心配そうに眺めております。
この絵はなんらかの物語の1シーンを描いていることは間違いないでしょう。

さあこうなると、バカヤの好奇心は「こりゃ何じゃ、何の話じゃ!」と仕事も手に付かなくなってしまうのです。
古伊万里の絵柄には中国の故事「十二孝」の場面があることは、一応コイマリストの一人として認識していますので、
この絵もそれらの一つなのだろうと推測しました。

早速ネット検索、「十二孝」で検索すると、十二孝の原典は、元の時代に郭居敬という人が、
中国の故事伝承の24人の親孝行な人物の物語をまとめた「二十四孝」と呼ばれる伝本から
12の話をピックアップしたものであることがわかりました。

改めて「二十四孝」で検索しましたが、中国のWebがほとんどで、漢字の字ズラからアテズッポウで開いていって
見つけましたよ、二十四話の漢文を。 Explorerの「日本語で翻訳する」という機能で表示してみましたが、
「笑っちゃいます」レベルどころか「怒るでー!」レベル、日本語になってない。「母」が「牝」、「妻」が「雌」と訳されるんですよ!
原文とインチキ訳文と見比べながら、高校の時のチンプン漢文、(行ったり来たり)する読み方も多少覚えてるだけだけど、
なんとか解読した。私のほうが読めるでー、でありました。

第二十孝(二十二孝のものあり)に
「湧泉躍鯉」という話がありましたが、多分この物語の1シーンであろうと思います。

漢の時代、姜詩という人がいました。母親孝行な人で、妻も姑を大切にしました。
母は江水(清らかな川の水)を飲むのが好きなので、妻は遠くの川まで汲みに行っては飲ませました。
また鯉のナマスが好きなので、姜詩はいつも魚を獲ってきては食べさせていました。隣家にもおすそわけして。
そんな暮らしをしているある日、家のそばに泉が湧き出しました、江水と同じ美味しい水でした。
泉には毎日鯉が泳いでいました。姜詩夫妻はこれまでのように大変な思いをしなくとも、母を喜ばせることが
できるようになりました。


2009年7月1日
おまいさん、何か外で水音が聞こえるんだけど、見てきておくれ。

そうじゃのー。どれどれ。

姜詩立ち上がって家の外に出てみる。
妻のおリョウ恐々戸の陰から姜詩の後姿を見守る。

ありゃー、水が湧いておるわい。


あれよあれよと言う間に泉となる。

おうおう、鯉まで泳いでおるわい。
なんじゃろかい、不思議なこともあるもんじゃ



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時代小説風「せりふ」のつもり。

もっと気の利いた台詞は出ないんかい!
・・・・小説家にはなれんなー!