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このお皿は物語のありそうな窓絵に惹かれて思わず、いわゆる衝動買いしたものです。 下図のUP画像の人物画は、この時代に多く見られる山水人物文とは明らかに異なった、ドラマチックな絵であります。 手前の人物は不思議そうに地面を見つめており、後ろの人物も何事かと心配そうに眺めております。 この絵はなんらかの物語の1シーンを描いていることは間違いないでしょう。 さあこうなると、バカヤの好奇心は「こりゃ何じゃ、何の話じゃ!」と仕事も手に付かなくなってしまうのです。 古伊万里の絵柄には中国の故事「十二孝」の場面があることは、一応コイマリストの一人として認識していますので、 この絵もそれらの一つなのだろうと推測しました。 早速ネット検索、「十二孝」で検索すると、十二孝の原典は、元の時代に郭居敬という人が、 中国の故事伝承の24人の親孝行な人物の物語をまとめた「二十四孝」と呼ばれる伝本から 12の話をピックアップしたものであることがわかりました。 改めて「二十四孝」で検索しましたが、中国のWebがほとんどで、漢字の字ズラからアテズッポウで開いていって 見つけましたよ、二十四話の漢文を。 Explorerの「日本語で翻訳する」という機能で表示してみましたが、 「笑っちゃいます」レベルどころか「怒るでー!」レベル、日本語になってない。「母」が「牝」、「妻」が「雌」と訳されるんですよ! 原文とインチキ訳文と見比べながら、高校の時のチンプン漢文、(行ったり来たり)する読み方も多少覚えてるだけだけど、 なんとか解読した。私のほうが読めるでー、でありました。 第二十孝(二十二孝のものあり)に「湧泉躍鯉」という話がありましたが、多分この物語の1シーンであろうと思います。 漢の時代、姜詩という人がいました。母親孝行な人で、妻も姑を大切にしました。 母は江水(清らかな川の水)を飲むのが好きなので、妻は遠くの川まで汲みに行っては飲ませました。 また鯉のナマスが好きなので、姜詩はいつも魚を獲ってきては食べさせていました。隣家にもおすそわけして。 そんな暮らしをしているある日、家のそばに泉が湧き出しました、江水と同じ美味しい水でした。 泉には毎日鯉が泳いでいました。姜詩夫妻はこれまでのように大変な思いをしなくとも、母を喜ばせることが できるようになりました。 2009年7月1日 |
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