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線描きのお皿は、この時期の特徴的な作品の一つであります。 この手法の原典はやはり中国ということらしいが、それらしいものにお目にかかったことはまだない。 強いて言えば当所の図録にある線描きの山水図が中国風ではあるようだが、そのあたりかなと思っている 今回の大皿の文様は、この時期の線描き大皿では代表的なパターンで良く目にするものである。 構成はいろいろなものがありますが、総じて花唐草の流れであることは明白でありましょう。 後期に入って花唐草が一方では微塵唐草となり、他方線描き唐草になって行ったという推移も面白いといえる。 この皿を眺めて思うのだが、大皿の場合線描きにしても微塵唐草にしても基本的には略式ということなのであろうが、 結構根気強い細かい作業であり、それなりにエネルギー使っているなーと思うのである。 そのあたりが私が興味をもった理由であって、独特の美しさと存在感をもっている。 現在骨董品としてしばしば目にするということは、それだけ数多く製造されたということであって、江戸後期の消費者の 感性に受け入れられた、所謂ヒット商品であったのでしょう。 2006/6/1 | ||||