藍九谷 交差棕櫚葉文皿
寛文年:径14.5cm*高3.2cm


棕櫚葉文としているが、花苑の庭にある棕櫚の葉とは少し感じが違う。
棕櫚は葉裂が深く、葉身が長くバラバラになっている。
ヤシ科の葉であるとは思うが。近いのは「トウシュロ(唐棕櫚)」か「ウチワヤシ(団扇椰子)」。
ウチワヤシはかなり大きいものなので違うかも。

まあそれはそれとして、「交差葉文」は銀杏の葉のものは目にすることもあるが、この葉は珍しい。
交差のさせかたもこの時代らしく、品の良い配置で秀逸である。

末尾に参考図を転載してあるように、器形から類推するに、寛文様式に分類された作品に酷似していることから
寛文時代の作と判断している。(1660〜1670年代)

2005/12/1


参考画像 「団扇椰子」












参考画像

平凡社
別冊太陽 「染付の粋」より