藍九谷 流水菊花文鮑形皿
江戸前期:長16.4cm*高3.4cm
このところ、めっきり涼しくなり澄み切った空も一段と高く、秋の気配に満ちて来ました。
オソカ苑の菊はまだ蕾ですが、庭の野菊は満開。
今月は当コレクションでは数少ない季節物を展示といたします。

この皿は、私の染付歴の上では駆け出しの頃入手したもので、当時かなり気合を入れたものです。

しかし、その後、延宝期の鮑形皿で薄墨の逆唐草や墨弾きの文様の縁周りの存在を知ってしまって一気にテンションが
下がってしまったのであります。そんな訳で長いこと不遇の憂き目に会ってきた可愛そうな皿なのです。

今回展示のため再会してみるとそれなりに良い味を出しておりました。(私もそれなりに成長?)

生掛け焼成、ややモッタリした釉調で
古九谷に見られる調子であろうと思う。

高台は付け高台で、所謂、内股高台。
この手の皿に良く見られるように、長手側に反っている。当コレの鮎文変形皿も同じように反り返っている。焼成技術の未完成の時期の特徴である。

裏の文様は、古九谷、藍九谷の変形皿に良く見られる笹文。

こうして見ると自画自賛ではありますが、時代もあるし、ナカナカなものであると見直しております。

ーーーーーーー2005/10/1